[初回公開] 2024年05月10日
転職活動は求人情報を集めるところから始まり、ハローワークや転職サイトを利用するのが一般的だが、自身の経験やスキルに応じて求人の紹介と、企業との面接日程調整も代行してくれる「転職エージェントサービス」を利用する求職も少なくなく、転職エージェントの中で「リクルートエージェント」と「マイナビエージェント」を比較した内容を紹介する。

このページの目次
1.転職エージェントサービスとは
転職エージェントサービスとは、人事採用のため求人を出す企業と、職を求めている転職希望者との間を仲介する転職支援サービスのことである。
求職者自らが求人を探すハローワークや転職サイトと違い、転職エージェントでは求職者 1 人 1 人に担当者が付き、求人情報の提供から面談調整、履歴書の書き方のアドバイスなどを行ってくれる。

求職者は転職エージェントサービスを無料で利用することができ、求人を出す企業側が内定を出して求職者が出社して続きを完了した後に手数料をエージェントに支払う仕組みになっている。
転職支援サービスの中には内定を経て入社承諾した時点で役目を終えるのではなく、転職後も数ヶ月は転職者の様子を確認してフォローしてくれるところもある。
2.転職エージェントサービスを利用するメリット
転職エージェントサービスを利用するメリットは、転職活動において「時間を短縮させること」と「内定をもらう確率を上げること」、そして「会社の内部情報を入手」の 3 点が挙げられる。
いずれも自分 1 人で転職活動するよりも効率が良く、入社後のミスマッチのリスクが低い点が特徴である。
2-1.転職活動にかける時間を短縮できる
転職活動は一般的に求人情報を探した後に履歴書を作成して応募し、書類選考が通れば面接の流れとなる。
特に求人情報を探して履歴書を書くまでが時間を要すところだが、転職エージェントを利用すると自分の希望にマッチした求人情報だけが紹介され、予め履歴書と職務経歴書は転職エージェントがデータ化して保有しているので、求人への応募はウェブサイトのボタンを押すまたはタップするだけで完了する。
求人に応募するためには事前に転職エージェントサービスに登録して、初回だけは履歴書や職務経歴の登録やデータの送信が必要となるが、以後は応募のたびに準備する必要がないので仕事しながら次の職場を探している人にとっては大きな時間短縮となる。
2-2.内定がもらえる確率が上がる
転職活動で履歴書や職務経歴書は自分で考えて用意し、面接の質疑応答でどのような質問が来ても答えられるようにシミュレーションして臨む必要がある。
そこで転職エージェントサービスを利用すると履歴書など応募書類を添削して修正点のアドバイスを得ることができるので書類審査が一般応募よりも通過しやすく、エージェントから企業に対しても履歴書以外のフォローが入るので内定獲得に近づきやすい。
また、面接では各企業から出されるであろう質問の傾向をエージェントから事前に教えてくれるので、事前準備が万全な状態で書類選考と面接に臨めることから内定をもらえる確率が各段に上がる。
2-4.会社の内部情報が入手できる
転職者が心配する 1 つに入社後に自分が想像していた職場と違う「アンマッチ」が発生することである。
ハローワークや転職サイトで自分に合った職場かを見極めるには、企業のウェブサイトもしくは面接で企業訪問したときでしたか判断材料がないが、転職エージェントを利用すると福利厚生や社員の年齢層など内部情報を事前に得ることができるので入社後のアンマッチの確率が低くなる。
3.リクルートエージェントとは
リクルートエージェントとは、進学や就職など人が動く事業を主とするリクルートグループが運営している転職エージェントサービスである。
多くの業種に渡り求人情報を保有しており、非公開求人も求職者に紹介してくれるので登録するだけで数多くの求人を検索することができる。
リクルートグループは長年、労働市場環境で広いシェアを保っているので転職エージェント業界でも求人情報数はトップクラスである。
また、求人サイトの運営や求人誌の発行、人材教育事業などを総合的に展開する株式会社リクルートが運営しているため、求職者に合った専属のキャリアアドバイザーが付き、転職者に適した手ほどきを受けることができる。
キャリアアドバイザーには実際に異業種からリクルートに転職した担当者も数多く在籍しており、アドバイザーの実体験が聞けたり、アドバイザーとは別に企業との連絡窓口となっている営業担当と密に連携して求人票に記載がない聞きづらい情報の入手や、内定をもらうための情報を提供してくれる。
4.マイナビエージェントと
マイナビエージェントとは、株式会社マイナビが運営する転職支援サービスである。
マイナビは、就職・転職・進学情報の提供や人材派遣・人材紹介などを主業務とする日本の大手人材・広告企業であり、合同説明会を開催するなど数多くの企業ともパイプがある実績から、転職エージェントサービスも展開している。

マイナビエージェントに登録すると求職者 1 人に対してマイナビの担当者が割り当てられる。
初回登録の際に簡単な自身の経歴と希望職種を提供するが、その登録情報から専門知識を持つ担当者が付いてくれる特徴がある。
求人応募する場合はマイナビ担当者を介して企業に履歴書等の情報が渡されるが、事前にマイナビ担当者と求職者間で面談した内容も提供されるため書類選考が通りやすい特徴もある。
5.リクルートエージェントとマイナビエージェントの比較
大手求人数を数多く保有する「リクルートエージェント」と求職者と企業間を密に連携してくれる「マイナビエージェント」の比較としては、「求人数の多さ」と「書類選考の流れ」、「取り扱い求人の規模」などが挙げられる。
リクルートエージェントは多くの求人情報数を持ち、大手企業の求人が多いメリットがあるのに対して、求人を出している企業側は急いで転職者を雇入れたいという企業は少なく、「良い人がいれば内定を出す」という求人が多いため選考はシビアである。
そのため、求人情報を見ていても大手企業でありながら長期に渡って求人が出続けているのも散見する。
しかし、専用のアプリがあることからスキマ時間で求人検索と即応募ができる点は時間が無い求職者に取ってはメリットが大きい。

対してマイナビエージェントはリクルートエージェントに比べると求人数は少ないものの、中小企業の求人が多く、新しい事業を進めるために急ぎ人がほしい企業が多いため、書類選考から面接、内定が迅速に進む傾向がる。
下表は「リクルートエージェント」と「マイナビエージェント」の比較表である。
項目 | リクルートエージェント | マイナビエージェント |
---|---|---|
求人数 | 30 万件以上 | 約 10 万件 |
求人エリア | 日本全国 | 都市部、県庁所在地が中心 |
求人提供方法 | エージェントと AI による求人紹介 | エージェントによる求人紹介 |
書類選考 | システム的な応募 | エージェントを介した応募 |
サービス利用料 | 無料 | 無料 |
スマホアプリ | 有り | 無し |
放置度合い | 定期的に連絡が来る | 初回の紹介以外はほぼ連絡無し |
詳細な求人情報の掲載 | × | ○ |
リクルートエージェントとマイナビエージェントともに相反するメリットとデメリットがあるため、両方に登録して転職活動を進めるとよいが、1 つの転職エージェントに絞って転職活動したい場合は、多くの求人情報から選びたい時と、スマホアプリで空き時間で求人検索したい場合は「リクルートエージェント」を利用するとよい。
もし求人情報をじっくり検討する時間があり、エージェントの担当者とも連携しながら転職活動を進めたい人は「マイナビエージェント」の利用が向いている。
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