[初回公開] 2005年05月31日
CD や DVD、ゲームといったデータが入ったディスクを本体に入れても読み込まれなくなる原因は、ディスクに傷や歪みが生じているといった物理的な要因が多いが、ディスクの損傷具合によっては修復することができ、いくつかの方法の中から歯磨き粉で修復する方法について紹介する。

このページの目次
1.データをディスクに保存する仕組み
CD や DVD、ゲームソフトといったディスク状の記憶媒体にデータを保存する仕組みとしては、ディスク内部の金属部分に目には見ないほどの小さな凹凸をつけることでデータを保っている。
ディスクを真横から見ると真ん中に金属性の実際にデータが書き込まれる場所(記憶層)とその記憶層を守るために表面をプラスティックなど樹脂で覆っているのがわかる

データは記録層の中心から外側に向けて書き込むため、実際に CD や DVD の裏面を見ると、ディスクの中心部と外周部とで色が違うのが確認できる。
これはデータがある場所と無い場所を示しているためである。
2.CD や DVD、ゲームのディスクが読み込まない原因
データが保存された CD や DVD、ゲームソフトからデータを読み取る場合は、前述のデータが記憶された箇所(記憶層)に対してレーザー光を当ててその反射した光の具合で内容を判別している。
この時、実際にレーザー光が当たっているのはディスク内部の記憶層だが、記憶層を保護しているプラスチックに傷や歪みがあるとレーザー光を反射する光がズレてしまい、データの読み込みに時間がかかったり、データが読み込めない事態に陥ってしまう。
3.読み取れなくなったディスクを修復する方法
CD や DVD、ゲームソフトの裏面に傷があり読み込めなくなるのは、本体内部から発するレーザー光が屈折してしまい、ディスクに保存されているデータが正常に読み取れなくなってしまうためである。
そのため、再びデータが読めるようになり再生できる状態にするためには、ディスクにある傷を研磨して無くすことでプレイヤー本体からのレーザー光が正しく反射できるようにさせる必要がある。
ディスク表面を研磨する方法は「業者に依頼する方法」と、「自分で修復する方法」の 2 通りがある。
3-1.業者にディスクを修復してもらう
ディスク修復を業者に依頼した場合は、1 枚あたり約 8,000 円程度の料金で対応してくれることが多い。
ディスクの傷が深かったり、割れてしまっているなど状態によっては対応してもらえない場合があるが、修復可能であれば問題のあるディスクからデータを吸い出して新たに違うディスクにデータを移し替えて納品される。
3-2.自分でディスクを修復する
自分でディスクの修復を行う場合は、コンパウンドなど研磨剤を用いて傷のある箇所を平らにすると読み込むようになる。
粒子が小さいコンパウンドをホームセンターで購入する他、手軽に試すのであれば家庭にある歯磨き粉でも修復可能で、実際に歯磨き粉で対応できている。
この場合、ディスクにつけた研磨剤を「ふき取る道具」と「拭き取る方向」に気を付けないとさらに悪化させてしまうので下記の点に注意して対応する必要がある。
4.キズが付いて使えなくなったCD/DVD/ゲームを歯磨き粉で修復する方法
キズが付いて使えなくなったCD/DVD/ゲームを歯磨き粉で修復する方法としては、歯磨き粉を直接ディスクのキズに塗り込み拭き取るだけである。
まず今回、修復に利用したディスクは下図のようにデータがある裏面に手で触わるとざらつきを感じるか感じないか程度の擦れた細かな傷があるゲームソフトを利用する。

次に、ディスク修復の研磨剤としてはホームセンターで購入することができる目が細かいコンパウンドが好ましいが、今回は一般的に利用されている歯磨き粉を利用する。
歯磨き粉はライオンの「ホワイト&ホワイトライオン」を利用し、歯磨き粉をふき取るものに市販されているティッシュペーパーを利用する。

傷がついたディスクの修復方法としてはディスクに直接、歯磨き粉をつけてティッシュペーパーで優しく一定方向に拭き取るだけである。
ただしこの時、ディスクの中心から外側に向けて拭き取るのではなく、ディスクの円に沿って拭くとよい。
具体的にはディスクを片手で持ち、ティッシュペーパーを動かすでのはなく、ディスクを回転させるようにする。
拭き取る時の力加減は軽く触れる程度にし、指紋が付くほど強く指を押し付けないようにする。
また、必ず指の腹を使うようにして指の爪が当ってディスクに細かな傷を新たにつけないようにも注意したい。
しばらく指を押し当てる位置を変えながらディスクを研磨していると歯磨き粉で傷の場所がわからなくなるので、たまに水で少し流してから場所を確認しながら歯磨き粉を擦り付けていく。
傷が無い場所に歯磨き粉が付いて拭いてしまうと、反対に傷つけてしまい読み取れない場所が広がるため、あくまで修復したい箇所に絞るようにする。
歯磨き粉でディスクを修復させても見た目は元に戻らず、曇った感じは残ってしまうが、時折データの読み込みができるかプレイヤーにセットして再生確認しながら拭き取り作業を行い、読み込むようになれば作業を終了させる。
5.やってはいけないディスクの修復方法
歯磨き粉を使って傷が付いたディスクを再び使えるように修復はできるが、方法を間違えるとさらに悪化させてしまうので下記の点に注意が必要である。
5-1.柔らかい布で歯磨き粉を拭き取ってはいけない
ディスクに乗せた歯磨き粉をふき取るのに T シャツなど肌触りのよい綿の柔らかい布の方がディスクに良さそうに思えるが、反対に悪化させてしまう。
T シャツなど繊維はティッシュペーパーよりも大きいため、繊維でディスクをより傷つけさせてしまうためである。
5-2.ディスクの中心から外周に向かって拭き取ってはいけない
ディスクのデータをプレイヤーが読み取る時は、ディスクが常に回転しているので読み取りに利用されるレーザー光は回転方向に進む。
そのため、歯磨き粉をふき取る際にディスクの回転方向とは直角になってしまうディスクの中心から外側に向けて拭き取ってしまうと、レーザー光が屈折してしまうので拭き取る際は回転する方向と同じ方向に拭き取らなければならない。
6.修復した後のディスクの注意点
歯磨き粉で傷が付いたディスクの修復ができても、利用する上で 2 つの注意点がある。
1 点目は、見た目でもわかるほどの細かな傷は残ってしまうことである。
読み取りのレーザー光は直線的に入り、直線的に光が反射されればよいのでディスクの表面のプラスチックが少々汚れていてもデータの読み込みが可能になるので、研磨して透明になっていなくてもデータの読み取りには支障が無い。
しかし、自分で修復したディスクを買取店に持っていくと「傷有り」と判断されて買取価格が付かないことがあるので注意が必要である。
次に 2 点目は、データの読み取りに時間がかかるようになることである。
歯磨き粉など研磨剤で深かった傷が浅くなったとしても、ディスクの表面には多少なりとも細かな傷が残ったままなのでプレイヤーから照射されるレーザー光で反射されるデータ内容の解析に時間がかかるようになる。
ゲームソフトのディスクであれば、傷のある個所のデータ部分だけ読み込み時間がやや長くなる傾向が見受けられたので、完全に修復できるものでないと念頭に置く必要がある。
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