システムエンジニアの給与明細と20年間の社会保険料の推移


[初回公開] 2022年06月28日

システムエンジニアはインターネットとスマホの普及でデータ通信に必要なネットワークインフラを支えたり、紙文化からデジタル化する中で業務がシステム化するために常に人手不足の業界となっているが、実際にシステムエンジニアとして働いてきた時の給与明細と、この 20 年間の社会保険料の推移を紹介する。

システムエンジニアの給与明細と20年間の社会保険料の推移

1.システムエンジニアでも役割に応じて給与が異なる点

「システムエンジニア」と一言で職種を言い表しても、仕事の内容は『管理者』と『設計者』、『作業者』と作業内容が多岐に渡り、仕事の難易度と責任といった役割に応じて給与も異なる。

しかし全体的に「システムエンジニア」という職種は人手不足の状態で給与面では他の業種よりも高い傾向にある。

システムエンジニアでも役割に応じて給与が異なる点


下記が「システムエンジニア」の職種の中でもプロジェクト内の主な役割で、上に記載している立場ほど給与が高く設定されている。
また、プログラムができてさらにプロジェクトやメンバーをまとめるリーダー的な立場の場合は個人のスキルと会社への貢献度として基本給が高く設定される場合がある。

  1. プロジェクトリーダー(マネージャ) – プロジェクトの責任者。発注者との交渉やプロジェクトメンバーの管理を行う。
  2. 設計者 – システムを設計する。ネットワークとアプリで分けられることが多い。
  3. 開発者 – ネットワークやサーバ技術者の他、アプリを構築するプログラマーも含まれる。
  4. デザイナー – ウェブサイトなど見た目を設計(デザイン)する。
  5. テスター – システムの動作確認を行う。上級者は試験仕様書を書くことができる。

2.システムエンジニアの給与明細

システムエンジニアとして従事した実際の給与明細が次の通りである。
同じ会社に勤めていると昇給したり、転職により企業ごとに給与の考え方が違うため増額したり減額することがある。

2-1.2000 年の給与明細

2000 年の新卒の給与明細が下図となる。
最近ではあまり耳にしないが、月給ではなく日額だったので「出勤した日数=給与」となる仕組みであった。

2000 年の給与明細


図の給与明細の月は 21 日出勤したので 1 日あたり 7,000 円の給与となっている。
現在では最低賃金の見直しなどで 1 日あたりの日額も上がっているので現在の新卒ではもう少し高い傾向になる。

また、企業により異なるがこの企業では日曜日しか休日が無く、土曜日と祝日も出勤しており、働いた分だけ給与になるので新卒ながらも休みが取りやすい会社であった。
健康保険や厚生年金を差し引くと手取りは約 147,000 円であった。

ただし、新卒の場合は住民税の天引きが翌年からになるので住民税が天引きされるようになるとさらに手取りは少なくなる。

2-2.2002 年の給与明細

前述の会社から転職した 2002 年の給与明細が下図となる。
この会社では月給制となり、土日祝が確実に休みの勤務条件であることに加え、残業手当も付与される体制であった。

2002 年の給与明細

月給となる基本給は低いが、技術手当や調整手当といった手当で月収を増やしている会社であった。
基本給と手当を分けている企業は少なくなく、これは基本給が簡単に増減できない代わりに所属する部署や役割に応じて個々のスキルに見合った月収を常に見直して調整できるメリットがある。

尚、健康保険や厚生年金を差し引くと手取りは約 187,000 であった。

2-3.2022 年の給与明細

2022 年の給与明細は月給や各手当が約 340,000 円あり、そこから健康保険や厚生年金を差し引くと手取りは約 258,000 円であった。
経験とスキル、所属年数が増えて昇給もあったが、手取りが大きく変わっていないのは給与から天引きされる社会保険料が増えているからである。

2022 年の給与明細


3.過去 20 年間の社会保険料の推移

過去 20 年間の社会保険料の推移としては、2000 年では約 28,000 円だったのが 2022 年では 85,000 円ほどに増えている。
下図は 2000 年の社会保険料である。

2000 年の社会保険料

天引きされる社会保険料の中で得に厚生年金と所得税は受け取る額が多いほど比例して差し引かれる額も増える傾向にあるが、その差し引かれる割合は年々増加している。

そのため、長年同じ会社に勤めて毎年昇給したり、昇格して管理職となり役職手当が付いて月収が増えても差し引かれる社会保険料が増えているのでこの 20 年間は手取りも横ばいとなっている。

また、地方で勤務するほど住民税は安くなる傾向があるが、月収も低く設定されているので住む地域によって格差がある。

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