[初回公開] 2020年10月10日
ウェブサイトやブログに掲載する小物の写真を綺麗に撮影するためには周辺の背景が写り込まない撮影ブースを利用することは多いが、最近では模型や購入した物を SNS で公開するために個人でも撮影ブースが注目されており、今回は手軽に 100 均の商品を利用して撮影ブースを自作する方法を紹介する。
このページの目次
1.撮影ブースを自作するメリット
撮影ブースを自作するメリットは、安価に購入することができる点と、未使用の時はコンパクトに収納できる点である。
製品を製造するメーカーや商品を販売する店舗では見栄えの良い写真を撮影するために撮影ブースを用いられることが多いが、ホームセンターや家電量販店で一式が販売されていることはないので個人では入手経路の確保と、業者向けなので高価になる傾向がある。
最近ではインターネットで撮影ブースを購入することができるが、安くても 3,000 円以上で販売されており、安いほど撮影できる小物の大きさが小さいといった問題が生じる。
そこで撮影ブースを自作することで安価で材料を調達することができるだけでなく、サイズの大きい小物でも対応できるように撮影ブースを拡張することができるメリットがある。
また、今回自作する撮影ブースの材料は 100 均で購入するため、元々が撮影ブース用に販売されている商品ではないので、撮影ブースが不要になっても本来の商品の用途として利用してゴミにならない点もメリットである。
2.撮影ブース用に 100 均で購入するもの
今回自作する撮影ブースは全て 100 均で販売されてい商品を利用し、撮影ブースにかかるコストを抑えることができる。
撮影ブースの大きな役割としては「周辺の背景を写り込ませない」「照明を一定方向に統一する」の 2 点が挙げられる。
前者の周辺の背景を写り込ませない点においては、小物の背景は一色にするために余計な背景が入らないように箱型になるボックスとスクリーンを購入する。
後者の照明を一定方向に統一する点においては部屋の照明や外からの光で多方向から明るさがあると被写体の色味にムラができるので、上部パネルを設けてボックス内が証明が無ければ光が入らないようにするのがよい。
今回は 100 均で次の 3 種類、計 8 点の商品を購入した。
2-1.ブース本体となるフリーマルチパネル
まずは自作する撮影ブースの本体となる上下左右、そして背面の壁となる計 5 面を用意する。
今回は 100 均の組み立てラックシリーズのフリーマルチパネル 355mm x 355mm を利用し、板は被写体の周辺が写らないように透明やメッシュタイプのものではなく半透明または遮光性のあるプラ板のものとする。
2-2.フリーマルチパネルを固定する連結ジョイント
次に前述したフリーマルチパネルを固定して連携するために利用する連携ジョイントを計 2 点購入する。
連携ジョイントは 1 点あたり 4 つ入っているため、四角形を成す頂点 8 箇所に対応するため商品が 2 点あれば良い。
2-3.背景スクリーンとなるリメイクシート
最後に、被写体の背景となるスクリーンとしてリメイクシート(壁紙)を計 1 点購入する。
今回は背景を白にしたいためリメイクシートはホワイトを選択し、サイズは 60cm x 30cm である。
リメイクシートはフリーマルチパネルに対してサイズが小さいので切る必要はないが、被写体の大きさによってはパネルの継ぎ目が写真に写り込む場合があるのでその時はリメイクシートをもう一枚連結させるか、サイズの大きい模造紙等を利用すると解決する。
また、リメイクシートは元は壁紙として販売されているものなので表面がエンボス加工されていたり模様があるため、模様により撮影時は違った雰囲気を出すことができる。
3.100 均の商品を組み立てて撮影ブースにする方法
100 均の商品を組み立てて撮影ブースにする方法としては、フリーマルチパネル で箱型になるように 5 面を作り、各パネルを連結ジョイントで固定するだけでよい。
連結ジョイントは工具が不要なので手作業で下図のような自作撮影ブースに組み立てる。
連携ジョイントにはパネルを差し込むためのくぼみがあり、形状に合わせてパネルを差し込むだけなので工具は不要である。
下図は撮影時の向い方面から見て底に対して左面となるパネルを差し込んでいる様子である。
このように底に対して左面と右面、そして背面までを計 4 つのフリーマルチパネルと連結ジョイント 6 つを使って組み上げる。
次に撮影ブースの天上となるパネルを付ける前に背景となるリメイクシートをクリップやセロハンテープで下図のように設置する。
リメイクシートが無いとパネルの底と背面の継ぎ目が見えてしまうのでそれを隠すとともに、シートを湾曲させることで背景を感じさせない写真を撮影することができる。
リメイクシートの設置が終われば上からの光を遮るために天上となるパネルを付ければ完成となる。
4.自作した撮影ブースの写真の出来具合
自作した撮影ブースを昼間の屋内で自然光だけで実際に写真撮影した様子が下図となる。
カメラはスマートフォンを利用しており、ストロボ無し(証明無し)なため被写体のそのままの色味がムラ無く出ている。
次に下図は、先ほどの照明無しで撮影した写真を画像加工ソフトの Photoshop で明るさだけ調整したものである。
被写体の色がより鮮明になったのが確認できる。
次いで、撮影ブースがある部屋をカーテンを閉めて自然光が入らない暗室にして別のスマートフォンのライトを左側からのみ当てた場合の写真が下図である。
証明を当てたことで被写体の色味が加工せずとも鮮やかになるが、明暗がはっきりするようになった。
この写真も Photoshop で明るさだけ調整した写真が次となり、全体的に暗さは無くなるものの、一番明るい箇所がより際立ってしまうため加工時はもう一手間加える必要がある。
もし画像加工ソフトがあるなら自然光で明暗がはっきりしない状態で撮影して全体を明るくすると被写体が綺麗に撮影できる。
画像加工ソフトが無ければ、照明を当てるとよいが、今回のようにスマートフォンのライトだけだと周辺全体が明るくならないため、大き目なライトを用意するとよい。
5.撮影ブースを自作する以外の方法
撮影ブースの資材を 100 均で揃えた場合、全てで 880 円(税込)となり非常に安価で入手することができたが、それ以外の方法としては撮影ブースとして一式揃った商品が販売されているのでこれを活用する方法がある。
撮影用の商品はライトも付属しており、ライトの調整もできて手軽に綺麗な写真を撮ることができる。
反面、自作した撮影ブースと違い購入した撮影ブースのサイズ以上の物を撮影することができないのと、撮影以外の使い道も無いのがデメリットである。
今回のように 100 均で作った撮影ブースはパネルとジョイントを追加で購入することで撮影ブースの幅を広げることが可能で被写体が多くても対応することが可能である。
また、撮影時以外は本来の使い方である収納ラックとして活用することができるのと、ラックが邪魔でもジョイントからパネルを外して解体して再利用できるので、撮影頻度が少ないようなら自作するほうがお勧めである。
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