失敗しない!染料の「プレミアムダイ」を利用して色落ちした服を自宅で染め直す方法

お気に入りの服は繰り返し洗濯して何度も着ることが多いが、長年使っていると色が落ちてくるため、市販されている染料の「プレミアムダイ」を利用して失敗しない手順で自宅で簡単に染め直す方法を紹介する。

失敗しない!色落ちした服を自宅で染め直す方法

1.服の色が落ちる原因

服の色が落ちる原因は、衣服の素材や染色方法、洗濯時の水温や洗剤の種類、摩擦や日光による劣化などが挙げらる。
まず、衣服の素材によって染色方法が異なるため、染料の耐久性に差が出てくる。



また、洗濯時に使用する水温が高い場合、染料が溶け出して色落ちしやすくなり、洗剤の種類によっても染料の耐久性が異なるため、適切な洗剤を使用することが重要になる。

加えて、衣服同士や衣服と皮膚などの摩擦によって色素が摩耗して色落ちすることや、日光によっても染料が劣化する。

1-1.激しい摩擦やこすり洗いによる繊維の損傷

激しい摩擦やこすり洗いは、衣服の繊維を損傷させることがある。
繊維が損傷すると、衣服の強度が低下し、ほつれや縮み、色落ちなどの原因となる。

特に、繊維が細い素材や編み目が複雑な素材は、損傷しやすい傾向にあり、こすり洗いをする場合は、洗剤の使用量や水温、洗濯機の回転数なども考慮しなければならない。

摩擦やこすり洗いが必要な場合は、できるだけ強くこすらず、手洗いや洗濯ネットを使用して優しく洗うことが大切である。

1-2.濃色と淡色を一緒に洗濯した場合の色移り

濃色と淡色を一緒に洗濯すると、濃色の色素が淡色に移り、淡色が変色してしまうことがある。
特に、水に溶けやすい染料を使用した衣服は、色移りしやすい傾向にあるため、濡れたまま長時間放置した場合や、洗剤を使わずに洗濯した場合も色移りのリスクが高くなる。

衣服を分けて洗濯する際は、色の濃さや種類に注意しながら、できるだけ同じ色のもの同士を一緒に洗うようにし、衣類を裏返して洗濯するなどの対策を取ることも効果的である。

1-3.汚れを落とすための強力な漂白剤の使用

強力な漂白剤を使うと、頑固な汚れが落とせる反面、衣服の繊維を傷め、色落ちや変色の原因となることがある。
そのため、漂白剤を使う際は、必ず取扱説明書をよく読んで正しい使用方法を守り、手袋やマスクなどの保護具を着用することも大切である。

また、漂白剤は塩素系と酸素系の 2 種類があり、衣服の素材に合わせて使用する必要がある。

2.色が落ちた服を元に戻す方法

色が落ちた服を元に戻す方法としては、染料を利用して着色する方法がある。
染料は手芸店、ホームセンターなどで販売されており、その中でダイロン社が製造販売している「プレミアムダイ」で染色する手順が次の通りである。

「プレミアムダイ」が販売されている様子


3.染料の「プレミアムダイ」とは

染料の「プレミアムダイ」とはイギリスの DYLON(ダイロン)社が製造販売する染料である。
製品の 1 袋で T シャツ 2 枚分を染色することができ、袋の数を増やすことでジャケットやズボンを染めることも可能である。

染まる素材は綿、麻、レーヨン(ウール、シルクは薄く染まる)であり、反対に染まらない素材としてはポリエステル、アクリル、ナイロン、撥水加工などの加工がある繊維となっている。

4.染料の「プレミアムダイ」を利用して色落ちした服を自宅で染め直す方法

染料の「プレミアムダイ」を利用して色落ちした服を自宅で染め直す方法としては、粉末状の「プレミアムダイ」を液体にするお湯の他、容器などを用意した上で浸け置きするだけでよい。

所要時間は染料液を用意して水洗いして干すまでに 2 ~ 3 時間ほどとなる。

染色する衣類の重量を量る

染料の「プレミアムダイ」を利用する場合は、染めたい衣類の重量に応じて利用する染料の量が変わるため、まず衣類の重さを量る。

染めたい衣類の重量を量る様子

今回は色落ちして所々が白くなった黒色のズボンを「プレミアムダイ」を使って黒くしたいため、重量を量ると上図のように 591g であった。

そのため、必要な「プレミアムダイ」は 2 袋となる。

4-2.用意するもの

色落ちした服を染色するために、次の 9 つの物を用意する。
今回は染色後に衣類の色落ちを防ぐために色止め剤も利用するが、染色だけでよければ色止め剤とそれを溶かすお湯は不要である。

ダイロンのプレミアムダイとカラーストップ

また、染料(プレミアムダイ)は染める衣類の重量が 250g ごとに 1 袋必要になり、染料を溶かすお湯と塩も比例して必要になる。
そのため、もし重量が 500g の衣類を染める場合は、お湯を約 13L、塩は 500g 必要になる。

プレミアムダイは塩を加えることで水分の表面張力を下げて染料が均等に染まりやすくなる性質がある。

また、塩は染料が繊維に定着するための役割も果たしているため、塩がないと色落ちしやすい染め上がりになることがある。

  • 染料(プレミアムダイ):1 袋(衣類重量が 250g ごとに 1 袋)
  • 色止め剤(カラーストップ):1 袋
  • 塩:250g(プレミアムダイ 1 袋につき)
  • 容器(バケツなど):1 個
  • 染料を溶かすボウル:1 個
  • 40℃のお湯(染色時):6.5 リットル(プレミアムダイ 1 袋につき)
  • 40℃のお湯(色止め時):6.5 リットル
  • 泡立て器(染料・塩を溶かす際に使用):1 つ(割りばしなどでも代用可)
  • ゴム手袋:1 つ
バケツと塩、ゴム手袋


プレミアムダイとカラーストップ以外には浸け置きする容器(バケツ)と塩、ゴム手袋を購入する必要がある。
バケツは 100 均で販売されているもので浸け置きが可能である。

ゴム手袋は染料液を衣類に均等に染み渡らせる時に必要になり、素手で染料液に増えると皮膚にも染料が付着してしばらくは取れなくなるため、必ず着用したほうがよい。

4-3.容器に染料を入れてお湯で溶かす

まず最初にバケツなど容器に染料(プレミアムダイ)を入れ、40℃のお湯(500mL)で溶かして染料液を作る。
40℃のお湯は洗面所やシャワーで熱めの温度設定にすると手軽に用意することができる。

お湯で溶かす場合は、割りばしなど泡立て器で染料の粉が残らないようにかき混ぜる。

4-4.染料液が入った容器に塩とお湯を入れて溶かす

次に上記で用意した染料液に塩とお湯(6 リットル)を入れて、再度、割りばしなど泡立て器でお湯に溶けるようにかき混ぜる。
特に今回のように衣類が重く、必要な塩も 500g と多い場合は容器の底に溜まりやすいので、泡だて器を容器の底に付けて粉が残らないようにする。

また、かき混ぜる際に染料液が手につくと色が付着するためゴム手袋をはめて行うのがよい。

4-5.染める服を容器に入れる

染色液ができれば、染める服を容器に入れる。
この時、畳んだ状態ではなく、色ムラができないように均等に染め上げるために衣類を広げて入れるのがポイントである。
ここで 15 分ほど両手で混ぜながら衣類に染色液を浸透させる。

4-6.定期的に混ぜて浸け置きする

衣類に染料液をなじませた後は 1 時間ほど放置して染色させる。
この時、プレミアムダイの粉や塩が容器の底に沈殿することがあるので、定期的にかきまぜると染色が薄くならずに済む。

容器に袋を装着して、袋の中で浸け置きする様子


また、かき混ぜる際にアパートなど狭い空間だと壁に染料液がついて色が付いてしまうことがある。
そこで、大きめの袋を用意して、袋の中にプレミアムダイと塩をお湯で溶かして、袋から染料液が漏れないように縛った上で袋越しに手もみすると、周りを汚すことなく染色することができる。

もしベランダなど屋外が利用できるなら、作業は屋外で行うことをお勧めする。

4-7.水洗いして染料をすすぐ

染色液に衣類を浸けて 1 時間ほど経過すれば、水で手洗いして染料を軽くすすぐ。
ここで洗濯機で洗うと、洗濯機内に染料が付着して後から洗う物に色が付着するのを防ぐとともに、染料が落ちてしまうのを防ぐためである。

4-8.色止め剤に浸け置きする

染色後は色止め剤(カラーストップ)でコーティングすることで、せっかく染めた衣類を長持ちさせることができる。
染色に利用した同じ容器にお湯(40℃)とカラーストップ(液状)を入れ、衣類を約 15 分間浸け置きする。

4-9.水洗いして色止め剤をすすぐ

最後に、色止め剤(カラーストップ)を水で手洗いしてすすぐ。

4-10.脱水して日陰干しする

水洗いした後は脱水し、日陰干しする。
日光に当てると染料が劣化しやすくなるため、染料が衣類になじむまでは手洗いと日陰干しを行う。

5.染料の「プレミアムダイ」を利用する前と後の染まり具合の比較

染料の「プレミアムダイ」を利用する前と後の染まり具合の比較としては、下図のように所々白くなっていた黒色ズボンが均等に黒く染まったのが確認できた。

プレミアムダイで黒く染めた前後の比較

上図の上側がプレミアムダイで染色する前、下側が染色した後となる。
ズボン内の白色のタグは染色後は真っ黒にならずとも、藍色に染まっていた。

プレミアムダイで黒く染めたサイドポケットの様子


また、上図の左側がプレミアムダイで染色する前、右側が染色した後となる。
ズボン左右についているポケットに白色の帯がデザインされていたが、こちらも真っ黒にならずとも、藍色に染まっているのが確認できた。

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