ウェブサイトやブログをインターネット上に公開したい場合はサーバと呼ばれるインターネット上の土地が必要になるが、サーバは自分でハードウェアや通信回線など全て揃えると費用と知識が必要となり、個人であればレンタルサーバを利用するのがコストパフォーマンスが良いため、レンタルサーバを利用してインターネット上にサイトを置く公開ディレクトリを作成する方法を紹介する。

このページの目次
1.公開ディレクトリとは
公開ディレクトリとは、インターネット上で公開するウェブサイトやブログのプログラムを置く場所のことである。
主に Apache や Nginx といったウェブサーバで設定する項目の 1 つである。

一般的に公開ディレクトリには HTML ファイルや CSS ファイル、画像などを保存する。
最近では WordPress や MovableType といった CMS のプログラムを設置して利用することも多い。
公開ディレクトリ以外はインターネット上から直接アクセスすることはできないが、公開ディレクトリ上に保存しているプログラムに脆弱性があり、悪用された場合は公開ディレクトリ以外のファイルも見られたり、操作されてしまうので注意が必要である。
レンタルサーバを利用している場合も公開ディレクトリとそれ以外の場所を提供される。
2.レンタルサーバの有償と無償の違い
レンタルサーバの有償と無償の違いは下表のように、料金の他に広告が入るなど無償利用の方が制限が多い。
項目 | 有償 | 無償 |
---|---|---|
料金 | 必要 | 不要 |
プログラムの利用 | Perl、PHP など利用可 | Perl のみ、もしくは利用不可 |
利用ディレクトリ | 公開ディレクトリ以外も可 | 主に公開ディレクトリのみ |
利用容量 | GB 単位 | 平均で 100MB ほど |
広告表示 | 無し | 自動で表示されることがある |
3.レンタルサーバで公開ディレクトリを作成する方法
レンタルサーバで公開ディレクトリを作成する方法は、管理画面から操作して作成する。
サーバ契約時には必ず 1 つは公開ディレクトリが利用できる状態でサービスが提供されるので、初期設定で公開ディレクトリを作成することはほぼないが、サブドメインを作成して公開ディレクトリを分けたい場合は次の流れとなる。
3-1.サーバ上に公開ディレクトリがまだ無い様子
サーバ上に公開ディレクトリがまだ無い様子が下図となり、レンタルサーバの場合は公開ディレクトリ名がドメインまたはサブドメインが名称になっている。
今回はサブドメインを作成し、公開ディレクトリを新たに作成する。

上の図の場合、ディレクトリ「log」は公開ディレクトリにしていないのでインターネット上からアクセスすることはできない。
対して「flashrave.org」は独自ドメインで運用しており、このディレクトリ内のデータはインターネット上に公開されている状態である。
3-2.レンタルサーバの管理画面にログイン
次に利用しているレンタルサーバの管理画面にログインする。
ここではレンタルサーバの XREA を例にする。

管理画面にログインすると下図のように複数のウェブサイトを管理する項目の他、ドメインやデータベース、メールを設定することができる。

ほとんどのレンタルサーバが上記の設定項目が用意されているが、運営会社や利用料金によっては設定項目が異なっている。
3-3.サブドメインを登録する
サブドメインとは、取得したドメインの前に文字列を置くことで違うサイトとして運用することである。
例えば検索サイトの Yahoo ではサブドメインを分けることでサービスが分けられており、次のようにドメインとピリオドの前に www や shopping とあるのがサブドメインに該当する。
- www.yahoo.co.jp – Yahoo!JAPAN の総合トップサイト
- shopping.yahoo.co.jp – Yahoo!ショッピングのサイト
レンタルサーバではまずサブドメインを作成するため、ドメインの設定画面を表示する。

XREA の場合はボタン「ドメイン設定の新規作成」をクリックする。

ボタン「ドメイン設定の新規作成」をクリックすると下図のようにサブドメインの追加画面になるため、ドメイン名に加えてサブドメイン名を任意に付けて新規作成を行う。

この時、「A レコードのチェックを行う」の設定項目があり、このチェックは入れた状態とする。
A レコードとはドメインと IP アドレスを紐づける DNS の設定となり、ウェブサイトや部六の URL からレンタルサーバの IP アドレスへのリンクが可能になり、サイトが表示されるようになる。
3-4.作成したサブドメインの公開ディレクトリを設定する
サブドメインを作成するとほとんどのレンタルサーバで公開ディレクトリも一緒に作成されるが、提供サービスによっては作成したサブドメインのサイトの設定を行うことができる。

設定できる内容は運営会社により異なるが、例えば通信を暗号化する SSL を無料で利用できたり、http:// でアクセスされた場合に自動的に https:// にリダイレクトさせるといった設定が可能である。
3-5.公開ディレクトリが作成された様子
公開ディレクトリが作成された様子が下図のように FTP ソフトでアクセスするとディレクトリが増えているのが確認できる。

公開ディレクトリ作成直後は何も公開するデータが無いため、FTP ソフトなどを利用してウェブサイトのデータや WordPress など CMS のプログラムファイルをアップロードする。
レンタルサーバによっては作成したサイトに対して、管理画面から直接 WordPress などツールをワンクリックでインストールできる機能があるので、管理画面を見て操作するとよい。
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