Postfix で Illegal address syntax from unknown のエラーが出る場合の対応方法


[初回公開] 2013年01月28日

メールサーバの Postfix は正常に通信できた場合でも何らかの問題で配信できない場合もログ(maillog)に痕跡が残るようになっているが、そのログの中に「Illegal address syntax from unknown」とありメールの送信ができない原因と対応方法について紹介する。

Postfix で Illegal address syntax from unknown のエラーが出る場合の対応方法

1.Illegal address syntax from unknown とは

Illegal address syntax from unknown とは、メールサーバの Postfix でメール配信に失敗した場合にログに残る一文である。
エラー内容を日本語に訳すと「アドレス構文が不正」となり、送信先となるメールアドレスが Postfix から送信を許可する形式になっていないことを示している。



Postfix のログには下記のように表示される。

Jan 29 10:22:26 *** postfix/smtpd[3487]: connect from unknown[***]
Jan 29 10:22:26 *** postfix/smtpd[3487]: warning: Illegal address syntax from unknown[***] in MAIL command: <***@***>
Jan 29 10:22:26 *** postfix/smtpd[3487]: disconnect from unknown[***]

このエラーが出る原因には 2 点あり、送信先のメールアドレスの @ 以降がホスト名ではなく IP アドレスの場合と、送信先のメールアドレスの先頭文字が -(ハイフン)の時である。
各対応方法は次の通りである。

2.意図的に Illegal address syntax from unknown を出す方法

意図的に Illegal address syntax from unknown を出す方法としては、送信先となるメールアドレスの @ 以降を IP アドレスにするか、メールアドレスの先頭文字をハイフンにすると再現する。

ドメインを用いないローカルネットワーク内の開発環境でメールの送信テストを行う際に遭遇しやすいエラーである。

3.Illegal address syntax from unknown の対応方法

Illegal address syntax from unknown の対応方法としては、Postfix の設定変更で解決する。

3-1.宛先メールアドレスの @ 以降を IP アドレスでも許可する

解決方法の 1 つに宛先メールアドレスの @ 以降を IP アドレスでも許可する設定が挙げられる。
送信先のメールアドレスの @ 以下がホスト名ではなく IP アドレスで Illegal address syntax from unknown が出る場合は、Postfix の設定ファイル(/etc/postfix/main.cf)に次の 1 行を追加するとメール送信できるようになる。

resolve_numeric_domain = yes



Postfix はデフォルトで @ 以降が IP アドレスの場合はメール送信するのを禁止しているため、上記のように resolve_numeric_domain を有効にすることで、@ 以下が IP アドレスでもメール送信することができる。

3-2.宛先メールアドレスの先頭文字が -(ハイフン)でも許可する

解決方法の 1 つに宛先メールアドレスの先頭文字が -(ハイフン)でも許可する設定が挙げられる。
送信先のメールアドレスの先頭文字が -(ハイフン)で Illegal address syntax from unknown が出る場合は、Postfix の設定ファイル(/etc/postfix/main.cf)に次の 1 行を追加するとメール送信できるようになる。

allow_min_user = yes

Postfix はデフォルトでハイフンで始まるメールアドレスの場合はメール送信するのを禁止しており、allow_min_user を有効にすることで、メールアドレスの先頭がハイフンでもメール送信することができる。

main.cf に設定を入れた後は Postfix を再起動することで設定が正式に有効化される。

最近では携帯キャリアのメールアドレスやフリーメールアドレスの作成時にハイフンやピリオドといった記号文字が使われることが多くなっているためメールアドレスの先頭が -(ハイフン)があり配信できない例が増えてきている。

関連記事

コメントを残す