迷惑メールブロックサービスの利用方法とメーラーで振り分ける方法


[初回公開] 2008年03月28日

電子メールは取引先や個人など情報の伝達手段であるとともに、最近ではインターネット上の会員登録でメールアドレスが必要になるのが一般的であるが、利用しているうちに広告メールやフィッシング詐欺など犯罪に関わる迷惑メールが届くことがあり、負担軽減やトラブル回避のために迷惑メールをブロックするサービスとメーラーで対応方法を紹介する。

迷惑メールブロックサービスの利用方法とメーラーで振り分ける方法

1.迷惑メールとは

迷惑メールとは、自身のメールアドレスを教えていないのに許可なく送られてくる不要なメールのことである。
ほとんどの場合がフィッシング詐欺やウィルス感染の恐れがあるメールだが、同意無く広告や宣伝といったメールも迷惑メールとして取り扱われる。



迷惑メールが送られてくる原因としては、「メールアドレスが単純」もしくは「メールアドレスの流出」が挙げられる。

「メールアドレスが単純」はメールを送信する業者がメールアドレスの文字列を順番に入れ替えながら送信するため、メールアドレスの文字数が少ない場合やありふれた文字列の場合は送信ターゲットになりやすい。

また「メールアドレスの流出」は会員登録制のウェブサイトがサイバー攻撃を受けて情報が漏洩したり、ウェブサイトの運営者や委託する企業から情報の取り扱いが徹底されずにメールアドレスが第三者に渡ることで、自身のメールアドレスが意図せず流通している現状にある。

2.迷惑メールによる悪影響

迷惑メールが届くことによる悪影響としては、「メールボックスの逼迫」と「犯罪に遭う確率の上昇」が挙げられる。
どちらも自衛することは可能だが、迷惑メールが届きだすと止むことはないため、何等かの対策を取る必要がある。

2-1.メールボックスがいっぱいになる

電子メールはメールボックスと呼ばれる、仮想の郵便箱に溜まるようになっている。
一般的にはメールボックスに入ったメールはメーラーで受信すると空になるが、受信する前にメールボックスがいっぱいになると、それ以降に届くメールは受信できなくなるため、本当に受け取りたいメールが届かなくなる弊害が発生する。

定期的にメーラーでメール受信していればメールボックスがいっぱいになることは避けられるが、メールボックスはデータサイズにより上限が決められているため、添付ファイルのサイズが大きいメールが 1 つでもあればメールの数量に関係なく、すぐにメールボックスがいっぱいになる点に注意が必要である。

2-2.詐欺に遭う確率が高まる

迷惑メールを受信し続けていると詐欺に遭う確率が高まる悪い影響がある。
特に多いのが銀行や配送業者の名称を語り、個人情報を入力させるフィッシング詐欺が多い。



フィッシング詐欺では入力した個人情報を売買されたり、銀行であれば不正アクセスされて預金を引き出され、クレジットカード番号であれば不正に利用される。

緊急性が高いメールの件名で送られてくるので、焦ってメールの内容に従いそうになるが、メールに記載されている URL が公式のものでなかったり、日本語がおかしい場合は無視してメールを削除することをお勧めする。

3.迷惑メールを受け取らない 2 つの方法

インターネットを利用した電子メールは下図のように、メールアドレスがあるメールサーバに溜まる。
利用者はメーラーがインストールされたパソコンでメールサーバにあるメールを取得することでメールを読むことができる。

電子メールの送受信の仕組み


ここで迷惑メールを受け取らないようにするためには、「メールサーバ」と「パソコン」の 2 箇所で対応することができる。
前者のメールサーバ側ではメールアドレスの管理者が提供するサービスや機能を使い、後者のパソコン側ではセキュリティソフトやメーラーの設定で迷惑メールへの対策が可能である。

3-1.迷惑メールブロックサービスを利用する

迷惑メールブロックサービスは、メールアドレスを発行しているプロバイダやメールサーバの機能で迷惑メールと判断したものを破棄する機能である。

例えばプロバイダの Biglobe ではインターネット接続サービスの他にメールアドレスの発行も行っており、別途オプション契約することで迷惑メールブロックサービスが提供されている。

Biglobe の迷惑メールブロックサービス


このサービスを契約して管理画面にログインすると特定の差出人(From)から来たメールは自動的に破棄したり、特定のメールタイトル(Subject)の場合に同じく自動的に破棄させることができる。

迷惑メールブロックサービスの設定画面

いつも同じ内容の迷惑メールであれば特定のキーワードを From や Subject に設定しておけば自動的に破棄してくれる。
自動破棄に設定項目は下図のように送信者(From)やタイトル(Subject)で提供しているサービスが多い。

ブロック設定の項目

しかし迷惑メールの送信者もさまざまなバリエーションで送信してくるため、全てにブロックサービスで対応するのは難しい。

そこで有効なのが文字コード(Content-Type)の設定である。
文字コード(Content-Type)とは、メーラーで表示するためのインターネット上の技術の 1 つである。
例えば日本語のような全角文字を扱う文字コードは iso-2022-jp または UTF-8 が一般的である。

文字コード(Content-Type)の設定方法


言い換えると、iso-2022-jp や UTF-8 以外のメールは日本語が取り扱えないため、メーラーで表示しようとすると文字化けする。
そこで、迷惑メールのヘッダー情報を見て iso-2022-jp や UTF-8 以外であれば自動的に破棄するようにするとよい。

迷惑メールで多い文字コードの 1 つが iso-8859-1 である。
iso-8859-1 はラテンアルファベットの文字コードで、アメリカ、西ヨーロッパ、オセアニア等で使われており日本語には対応していないので、海外の人とやり取りすことがなければ自動的に破棄しても問題無い。

3-2.メーラーで迷惑メールを振り分ける

前述の迷惑メールブロックサービスを利用するとメールサーバで自動的に破棄することから、実際にパソコンでメーラーを起動させても受信することはない。
しかし、メールサーバで迷惑メールをブロックする機能やサービスが無い場合は、パソコンのメーラーで一度受信し、その受信時に特定のルールでメールを振り分けて、自動的にごみ箱に移動させるといった設定が有効である。



メーラーでの振り分け方法は利用しているメーラーによって設定方法が異なるが、ほとんどの場合はメーラーの上部メニューに「メールの振り分け」や「メールのフィルター」といった項目があるため、そこで設定を行う。

例えば銀行系の迷惑メールがよく届く場合で、口座を持っていない銀行であれば件名に「○○銀行」の文字があれば、ごみ箱に移動させる設定をすることで、メール受信時に自動的に該当する迷惑メールはごみ箱に入るので、中身を見て確認する手間が軽減される。

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