サブドメインを追加する際に必要な DNS サーバの設定方法

一つのドメインを使い回してウェブサイトを分けたり違うサーバで運用する場合にサブドメインが用いられるが、サブドメインを使うためには DNS サーバへ設定する必要があるので、サブドメインを追加する場合の DNS サーバの設定方法をドメインの管理画面を例に照会する。

サブドメインを追加する際に必要な DNS サーバの設定方法

1.サブドメインとは

サブドメインとは取得したドメインからさらにウェブサイトやサーバを分けて利用したい場合に利用する URL の一部である。
例えば「sample123sample.jp」というドメインを取得した場合、サブドメインは下記の「www」と「blog」の箇所に該当する。

https://www.sample123sample.jp
https://blog.sample123sample.jp

サブドメインはいくつでも自由に作ることができ、ドメインの利用料は「sample123sample.jp」だけとなり、複数のドメインを取得する必要が無いので低コストで運用できる。

また、サブドメインごとに用意したウェブページなどコンテンツは同じサーバ内で共存させることもできれば、全く別のネットワークや遠隔地にあるサーバで分けて運用管理することも可能である。

DNS サーバでサブドメインごとに接続先サーバを変える様子

サブドメインを利用する場合は、URL を IP アドレスに変換する DNS サーバの設定が必要となり、上図のようにサブドメインを含む URL に対応する IP アドレスを追加する。

2.DNS サーバでサブドメインを追加する方法

DNS(Domain Name System)サーバでサブドメインを追加する場合は、「DNS サーバを独自に管理している場合」とレンタルサーバなどで「DNS サーバも借りている場合」の 2 通りで方法が異なる。

DNS サーバを独自で管理している場合は DNS サーバにアクセスしてゾーンファイルと呼ばれる URL 及びサブドメインと IP を対比させて記入する設定ファイルを変更する。

もう一方のレンタルサーバで DNS サーバを借りている場合はドメインを取得したサービスにドメインの設定を行う管理画面があるので、その管理画面で DNS サーバの設定を行う。
管理画面はブラウザで操作することができ、基本的には DNS サーバのゾーンファイルをブラウザで編集する形となっている。

今回はドメインの取得と管理のサービスを提供しているバリュードメインの管理画面を例にサブドメインの設定が次の通りである。

2-1.ドメイン管理画面にアクセスする

まず最初に取得したドメインの管理画面にアクセスする。
バリュードメインの場合はサイトの右上にボタン「ログイン」があるのでこれをクリックしてログインを行う。

ドメインを取得したサービスの管理画面にログインする

2-2.サブドメインを設定するドメインを選択する

次にサブドメインの設定を行うドメインを選択するため管理画面の「ドメイン -> ドメインの設定操作」を選択する。
ドメインを取得したサービスによって管理画面の操作方法は異なるが、画面上部に取得しているドメインを切り替えるプルダウンがあれば設定を変えたいドメインを選ぶ。

「ドメイン → ドメインの設定操作」を選択

「ドメインの設定操作」をクリックすると取得中のドメイン一覧が表示されるため、サブドメインを追加したいドメイン名の横になるボタン「DNS/URL」をクリックすると DNS の設定画面が表示される。

ボタン「DNS/URL」をクリック

2-3.DNS に A レコードを設定する

DNS の設定画面が表示されると、下図のようにウェブサイトや FTP などの通信先を設定する A レコードと、メールの通信先を設定する MX レコードを登録編集する入力欄が表示される。

DNS の設定画面で A レコードを追加する

今回はサブドメインを追加するため、何も値が入っていない欄に「ホスト名」はサブドメインの名称、「ターゲット」に利用するサーバの IP アドレスを入力する。
IP アドレスは既にメインドメインやサブドメインで利用しているサーバがあれば、同じものを利用する。
反対の今回だけ他の IP のサーバを利用したい場合は、その IP アドレスを入力する。

次に「タイプ」は A を選択する。
同時にサブドメインでメールアドレスも分離させたいのであれば、MX のタイプも追加しておく。

最近では IPv6 に対応したレンタルサーバもあるため、IPv6 対応をする場合は「タイプ」は AAAA にしてターゲットとなる IP アドレスも IPv6 のものを入力する。

最後に管理画面の下部にあるボタン「設定保存」を押すと DNS の設定が完了となる。
DNS の情報はインターネット上の世界中にあり、それぞれの情報を共有している。
そのため、設定した DNS がインターネット上に浸透するまでに早くて 1 時間、遅くとも 24 時間はかかるので DNS にサブドメインを追加してすぐ使えるわけではないので注意が必要である。

3.Web サーバにサブドメインの設定を行う

DNS でサブドメインがどの IP のサーバに接続するかの設定を行った後は、実際にその IP のサーバにアクセスされたときにサブドメインに該当するコンテンツを表示する設定が必要になる。
その設定は Web サーバで行うことができ、Web サーバの一つである Apache では下記のように VirtualHost を利用してサブドメインに対応した設定を行う。

<VirtualHost *:80>
ServerName {サブドメイン}.{ドメイン}.{トップレベルドメイン}
DirectoryIndex index.html index.php
AddDefaultCharset UTF-8
DocumentRoot /var/www/html/{サブドメインの公開ディレクトリ}
<Directory “/var/www/html/{サブドメインの公開ディレクトリ}”>
AllowOverride All
Options FollowSymLinks -Indexes
</Directory>
</VirtualHost>

1 つのサーバに複数のサブドメインを運用する場合は、VirtualHost も複数記載する。
上記は Web サーバを独自に運営管理しているときの記述例だが、Web サーバもレンタルサーバを利用しているならドメインの管理画面と同じくレンタルサーバの管理画面にアクセスし、サブドメインを含めたドメイン名を追加するだけで上記の設定を自動的に行ってくれる。

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