ウェブサイトやブログを運営していて料金を安くしたり、さらに高スペックのサーバに変えたいなどさまざまな理由で利用しているレンタルサーバを変えたいことが発生するが、サイトが常に表示される状態を保つダウンタイムゼロでウェブサイトをそのまま新しいサーバに引っ越す手順を XREA とコアサーバーを例に紹介する。
このページの目次
1.レンタルサーバの引っ越しが発生する時
レンタルサーバの引っ越しが発生する時は、利用しているレンタルサーバがサービスを終了したり、他社のレンタルサーバの方が安い、もしくは今利用しているサーバだとウェブサイトの表示が遅いなどでサーバスペックを上げる場合などが挙げられる。
また、ウェブサイトの運営を外部企業に委託している場合、レンタルサーバの契約名義が委託企業名になる中で、委託業者の変更がある場合はレンタルサーバも変更になることがある。
2.レンタルサーバの引っ越し時に考慮するべき点
レンタルサーバの引っ越し時に考慮するべき点は、「サービス仕様が変わる」ことと「ウェブサイトがすぐに切り替わらない」ことの 2 点が挙げられる。
1 つ目の「サービス仕様が変わる」とは、レンタルサーバのよって利用できる機能が異なり、操作設定する管理画面も変わるため、引っ越し先を決める際には利用してきる機能が全て次の引っ越し先でも利用できるかを確認しなければならない。
例えばプログラムのバージョンであったり、定期的に自動化して処理しているものがあれば引っ越し先で利用できない場合がある。
2 つ目の「ウェブサイトがすぐに切り替わらない」とは、通常、ブラウザでサーバにあるコンテンツを表示する場合はドメインとパスで構成された URL が利用されるが、ドメインはインターネット上のどのサーバかを IP アドレスと対比させている。
そのため、レンタルサーバが変わると IP アドレスも変わるためドメインの向き先を新しいレンタルサーバに変更しなければならないが、すぐには切り替わらない点を考慮しなければならない。
3.レンタルサーバの引っ越しの流れ
レンタルサーバの引っ越しの流れは次の 3 つの手順を経て切り替える。
まず引っ越しする前は下図のように引っ越し元の方にウェブサイトの閲覧者はアクセスする。
ここで、新しい引っ越し先の方に FTP や SFTP でウェブサイトのデータをコピーする。
XREA などレンタルサーバによっては管理画面でコピー先を設定すると自動的に転送する機能があり、その手順は後述する。
ウェブサイトが 2 箇所で公開できる状態になれば、利用しているドメインを引っ越し先の新しいレンタルサーバに向き先を変更するとウェブサイトの引っ越しが完了となる。
尚、ドメインの向き先の変更はレンタルサーバの管理画面では行うことができず、ドメインの管理画面より DNS(ネームサーバ)の設定変更を行う。
4.レンタルサーバを引っ越しする手順
レンタルサーバを引っ越しする手順は前述の通り 3 つあり、ここではレンタルサーバの XREA からコアサーバの画面を例にする。
4-1.引っ越し先のサーバに公開ディレクトリを作成
まず引っ越し先となるレンタルサーバ側にドメインでアクセスして表示されるコンテンツを保存する公開ディレクトリを作成する。
今回は引っ越し先をコアサーバとするため、コアサーバの管理画面の左メニューより「ドメイン」を選択する。
ドメインの画面では既に設定されている公開ディレクトリの一覧が表示されるので、ボタン「新しく作成」をクリックする。
次に引っ越し元で利用しているドメイン名を画面内のドメインの入力欄に入力する。
この時、.jp や .com などトップレベルドメインも含むようにして、入力後はボタン「作成」をクリックする。
ドメイン名を入力して公開ディレクトリが作成されると、レンタルサーバ内のドメインの一覧に追加されるのが確認できる。
4-2.引っ越し元から引っ越し先にデータをコピー
引っ越し先にウェブサイトのデータを入れるディレクトリが作成できれば、次は実際にコンテンツのデータをアップロードする。
コピーする方法としては、引っ越し元のサーバから FTP ソフトなどで手元のパソコンに保存し、改めて引っ越し先の新しいレンタルサーバの方にアップロードするのが通例である。
しかし、XREA であれば直接引っ越し先のレンタルサーバへデータをコピーすることができる。
XREA で違うサーバにコピーする方法としては XREA の管理画面より「サイト設定 -> サーバー間コピー」を選択し、表示される画面内にあるボタン「サーバ間コピーの新規作成」をクリックする。
サーバ間コピーの新規作成の画面では、コピーしたいディレクトリの指定と、引っ越し先に転送するための FTP の情報とアップロードするディレクトリなどコピーに必要な情報を入力して画面下部にあるボタン「サーバー間コピーを新規作成する」をクリックすると完了画面が表示される。
サーバー間コピーの設定ができると、下図のように入力した情報が表示されるため三角形の実行ボタンをクリックすると引っ越し先のレンタルサーバにウェブサイトのデータが転送される。
4-3.ドメインを引っ越し先のサーバに変更
引っ越し先の新しいレンタルサーバの方にインターネット上に公開したいウェブサイトのデータが設置できれば、2 箇所で同じウェブサイトのデータを持つサーバが存在することになる。
ここで、引っ越し元のサーバに向いているドメインを新しいレンタルサーバの方に向き先を変更するため、ドメインの管理画面にアクセスする。
バリュードメインを利用している場合は管理画面の左メニューより「ドメイン -> ドメインの設定操作」を選択して取得済みのドメイン一覧を表示する。
表示された画面ではドメインの設定を行う各種ボタンが表示されるため、ボタン「DNS/URL」をクリックする。
DNS の設定画面では A レコードで利用しているサーバの IP から新しいレンタルサーバの IP に変更する。
メールサーバもウェブサーバと同じサーバであれば、MX レコードの IP も変更する。
新しいレンタルサーバが ipv6 に対応していれば AAAA レコードも指定し、メールの成りすましを防止する spf レコードにも対応していればそちらも変更する。
ここで設定変更すると早ければ数分後、遅くとも 24 時間以内に全世界中に利用しているドメインがどの IP を向いているか情報が生き渡り、引っ越しが完了となる。
DNS の変更をしてもまだ引っ越し元の古いレンタルサーバの方にアクセスされたとしても、公開ディレクトリにはコンテンツが残っているのでダウンタイムゼロで引っ越すことが可能になる。
5.ウェブサイト引っ越しのまとめ
ウェブサイト引っ越しのまとめとしては、新しいレンタルサーバにコンテンツを入れておけば、後は DNS の切り替えだけで引っ越しが完了するので手順としてはあまり多くない。
注意点としては DNS の向き先となる IP や、設定内容を間違えると誤った方にブラウザがアクセスしようとして「ページが見つかりません(Not Found)」になるため、設定変更前の DNS の設定情報は元に戻せるようにメモしておくとともに、新しい設定情報は間違えないように操作する点である。
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