[初回公開] 2022年03月08日
ウェブサイトやブログを運営していると、料金を安く抑えたり、より高スペックなサーバーへ変更したいと考えることがあります。こうした理由から、利用中のレンタルサーバーを変更するケースが発生します。今回は、サイトが常に表示された状態を保つ「ダウンタイムゼロ」でウェブサイトを引っ越す手順について、XREA とコアサーバーを例にご紹介します。

このページの目次
1.レンタルサーバの引っ越しが発生する時
レンタルサーバの引っ越しが発生する時は、利用しているレンタルサーバがサービスを終了したり、他社のレンタルサーバの方が安い、もしくは今利用しているサーバだとウェブサイトの表示が遅いなどでサーバスペックを上げる場合などが挙げられます。

また、ウェブサイトの運営を外部企業に委託している場合、レンタルサーバの契約名義が委託企業名になる中で、委託業者の変更がある場合はレンタルサーバも変更になります。
尚、近年では「クラウド型サーバー」や「マネージドサーバー(管理付き専用サーバー)」に移行するケースも増えており、単純な料金・スペック比較だけでなく、運用効率やセキュリティ重視で移行を検討する例も多くなっています。
2.レンタルサーバの引っ越し時に考慮するべき点
レンタルサーバの引っ越し時に考慮するべき点は、「サービス仕様が変わる」ことと「ウェブサイトがすぐに切り替わらない」ことの 2 点が挙げられます。
1 つ目の「サービス仕様が変わる」とは、レンタルサーバのよって利用できる機能が異なり、操作設定する管理画面も変わるため、引っ越し先を決める際には利用してきる機能が全て次の引っ越し先でも利用できるかを確認しなければなりません。
例えばプログラムのバージョンであったり、定期的に自動化して処理しているものがあれば引っ越し先で利用できない場合があります。
2 つ目の「ウェブサイトがすぐに切り替わらない」とは、通常、ブラウザでサーバにあるコンテンツを表示する場合はドメインとパスで構成された URL が利用されるが、ドメインはインターネット上のどのサーバかを IP アドレスと対比させています。
そのため、レンタルサーバが変わると IP アドレスも変わるためドメインの向き先を新しいレンタルサーバに変更しなければなりませんが、すぐには切り替わらない点を考慮する必要があります。
また、2024年以降は PHP8 系や MySQL8 系が主流となっているため、特に WordPress サイトの場合はプラグインやテーマが新サーバー環境に対応しているかも事前に確認しておくことが重要です。
3.レンタルサーバの引っ越しの流れ
レンタルサーバの引っ越しの流れは次の 3 つの手順を経て切り替えます。
まず引っ越しする前は下図のように引っ越し元の方にウェブサイトの閲覧者はアクセスします。

ここで、新しい引っ越し先の方に FTP や SFTP でウェブサイトのデータをコピーします。
XREA などレンタルサーバによっては管理画面でコピー先を設定すると自動的に転送する機能があり、その手順はこの後の内容をご参照ください。

ウェブサイトが 2 箇所で公開できる状態になれば、利用しているドメインを引っ越し先の新しいレンタルサーバに向き先を変更するとウェブサイトの引っ越しが完了となります

尚、ドメインの向き先の変更はレンタルサーバの管理画面では行うことができないため、ドメインの管理画面より DNS(ネームサーバ)の設定変更を行う必要があります。
加えて、最近では CDN(コンテンツ配信ネットワーク)を利用しているサイトも多いため、引っ越し後は CD N設定の確認・更新も忘れずに行う必要があります。
4.レンタルサーバを引っ越しする手順
レンタルサーバを引っ越しする手順は前述の通り 3 つあり、ここではレンタルサーバの XREA からコアサーバの画面を例に紹介します。
4-1.引っ越し先のサーバに公開ディレクトリを作成
まず引っ越し先となるレンタルサーバ側にドメインでアクセスして表示されるコンテンツを保存する公開ディレクトリを作成します。
今回は引っ越し先をコアサーバとするため、コアサーバの管理画面の左メニューより「ドメイン」を選択します。
ドメインの画面では既に設定されている公開ディレクトリの一覧が表示されるので、ボタン「新しく作成」をクリックします。

次に引っ越し元で利用しているドメイン名を画面内のドメインの入力欄に入力します。
この時、.jp や .com などトップレベルドメインも含むようにして、入力後はボタン「作成」をクリックします。

ドメイン名を入力して公開ディレクトリが作成されると、レンタルサーバ内のドメインの一覧に追加されるのが確認できます。

4-2.引っ越し元から引っ越し先にデータをコピー
引っ越し先にウェブサイトのデータを入れるディレクトリが作成できれば、次は実際にコンテンツのデータをアップロードします。
コピーする方法としては、引っ越し元のサーバから FTP ソフトなどで手元のパソコンに保存し、改めて引っ越し先の新しいレンタルサーバの方にアップロードするのが一般的な手段となっています。
しかし、XREA であればコアサーバーと同じ運営会社のため直接引っ越し先のレンタルサーバへデータを直接コピーすることができます。

XREA で違うサーバにコピーする方法としては XREA の管理画面より「サイト設定 -> サーバー間コピー」を選択し、表示される画面内にあるボタン「サーバ間コピーの新規作成」をクリックします。

サーバ間コピーの新規作成の画面では、コピーしたいディレクトリの指定と、引っ越し先に転送するための FTP の情報とアップロードするディレクトリなどコピーに必要な情報を入力して画面下部にあるボタン「サーバー間コピーを新規作成する」をクリックすると完了画面が表示されます。

サーバー間コピーの設定ができると、下図のように入力した情報が表示されるため三角形の実行ボタンをクリックすると引っ越し先のレンタルサーバにウェブサイトのデータが転送されます。

4-3.ドメインを引っ越し先のサーバに変更
引っ越し先の新しいレンタルサーバの方にインターネット上に公開したいウェブサイトのデータが設置できれば、2 箇所で同じウェブサイトのデータを持つサーバが存在することになります。
ここで、引っ越し元のサーバに向いているドメインを新しいレンタルサーバの方に向き先を変更するため、ドメインの管理画面にアクセスします。

XREA のドメイン管理サービスの「バリュードメイン」を利用している場合は管理画面の左メニューより「ドメイン -> ドメインの設定操作」を選択して取得済みのドメイン一覧を表示します。
表示された画面ではドメインの設定を行う各種ボタンが表示されるため、ボタン「DNS/URL」をクリックします。

DNS の設定画面では A レコードで利用しているサーバの IP から新しいレンタルサーバの IP に変更します。
メールサーバもウェブサーバと同じサーバであれば、MX レコードの IP も変更が必要です。

新しいレンタルサーバが ipv6 に対応していれば AAAA レコードも指定し、メールの成りすましを防止する spf レコードにも対応していればそちらも変更します。
ここで設定変更すると早ければ数分後、遅くとも 24 時間以内に全世界中に利用しているドメインがどの IP を向いているか情報が浸透し、引っ越しが完了となります。
DNS の変更をしてもまだ引っ越し元の古いレンタルサーバの方にアクセスされたとしても、公開ディレクトリにはコンテンツが残っているのでダウンタイムゼロで引っ越すことが可能になります。
また、2024年後半から、XREA およびコアサーバーではサーバー間コピー機能がさらに強化され、SSL 証明書情報の引き継ぎも一部自動化できるようになっています。より手軽に安全な移行が可能です。
5.まとめ
ウェブサイトをレンタルサーバにダウンタイムなく引っ越すには、あらかじめ新しいサーバにすべてのコンテンツをアップロードし、DNS(ネームサーバ)の設定を切り替えることで対応できます。
作業手順は少なくシンプルですが、IP アドレスやレコード設定を誤ると表示エラーにつながるため、事前に現在の設定を控えておくなど、慎重な操作が求められます。
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