動画が指定した位置で再生できない場合の対応方法


[初回公開] 2008年04月28日

動画を再生する中でスライダーを利用して指定の位置で早送りや巻き戻しを行いたい場合に指定位置から再生されなかったり、反応しないことが発生することがあり、正常に再生できない場合の対応方法について紹介する。

動画が指定した位置で再生できない場合の対応方法

1.動画が指定した位置で再生できない様子

動画が指定した位置で再生できない様子としては、動画再生中に表示される下部のスライダーをタップして早送りや巻き戻しした時に押しても反応しない、もしくは指定した位置からずれた箇所で再生されるといった事象が発生する。



指定した位置で再生することを再生プレイヤーによっては「再生位置選択」と呼ばれる場合がある。
再生位置が正確に利用できないことで、動画を巻き戻したい場合は動画の最初にしか戻せなかったり、早送りしたくても目的の場所から再生されずにスムーズに利用できない弊害が生じる。

2.動画が指定した位置で再生できない原因

動画が指定した位置で再生できない原因としては、動画を再生するプレイヤーが指定された位置を特定(シーク)するために、その位置のデータサイズを元に予測しているが、その予測に時間がかかったり、正確に判断できない点が挙げられる。

動画ファイルや音声ファイルは音質や映像の質により 1 秒ごとに取り扱うデータ量が異なるため、ビットレートと呼ばれる制御によりファイルに保存されている。

ビットレートには「固定ビットレート」と「可変ビットレート」があり、動画のシーンごとにデータサイズが異なる「可変ビットレート」で保存された動画の場合は再生プレイヤーが正確に位置を特定できない場合がある。

2-1.ビットレートとは

ビットレート(bitrate)とは、1 秒間に送受信されるデータ量のことで、単位は bps で表される。
音楽や動画など時間経過とともに情報が変わるファイルで用いられており、ビットレートの数値が大きいほど高音質または高画質となる反面、ファイルのサイズが大きくなる。



2-2.固定ビットレートとは

固定ビットレート(Constant Bit Rate:CBR)とは、音声や映像を指定した量を保つようにデータ量が制御された状態である。
多くの色や激しく動く動画の場合は 1 秒あたりのデータ量が増えるので、再生が不安定になったりファイルサイズが大きくなるが、固定ビットレートで保存しておくと、1 秒あたりに取り扱うデータ量が一定になるので再生が安定する。

しかし、指定したビットレートを超えるデータ量の場合は画質が落ちて荒くなるデメリットもある。

また、音楽や動画ファイルとして圧縮保存する際にはファイルサイズが一定で予測しやすくなり、それが再生位置の読み込み(シーク)の高速化にもつながる。

2-3.可変ビットレートとは

可変ビットレート(Variable Bit Rate:VBR)とは、音声や映像の取り扱うデータ量を制御せずにそのままの状態で再生する保存形式である。
多くの色や激しく動く動画の場合は 1 秒あたりのデータ量が増えるものの、高音質・高画質を保つことができる。
データ量が多いシーンに比例してデータサイズも増加するが、色や動きが少ない動画であれば固定ビットレートを利用するよりもファイルサイズが小さく済む場合がある。

また、再生する位置ごとにデータサイズが異なるのでファイルサイズが予測しづらく、再生位置の特定に時間がかかる傾向がある。

3.動画が指定した位置で再生できない場合の対応方法

動画が指定した位置で再生できない場合の対応方法としては、「動画を固定ビットレートにする」方法と「フレームレートを下げる」方法の 2 つが挙げられる。

動画を固定ビットレートにする場合は、動画編集ソフトで CBR に変更して動画出力することで解決する。



また、動画編集ソフトで固定ビットレートに変更できない場合は、1 秒あたりの取り扱われるデータサイズを減らすためにフレームレートを下げると指定した位置で再生できるようになる。
フレームレートとは、1 秒あたりのコマ数のことで、この数値が多いほど動画が滑らかになるが、ファイルサイズも大きくなる。

そのため、可変ビットレートでも 1 秒あたりのデータサイズを減らすことで動画全体のデータサイズが平均に近づき、再生プレイヤーが再生位置が特定しやすくなる。

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