[初回公開] 2025年05月29日
Googleアドセンスを利用していると、米国の税務要件に関する情報の更新を求められることがあります。この手続きは慣れていないと少し戸惑いますが、正しく対応すれば心配はいりません。本記事では、Googleアドセンス上で税務情報を更新する流れをステップごとに詳しく解説します。案内の通知の様子から、実際の入力方法、証明書類のアップロード、審査結果を待つまでの一連の手順を画像付きで紹介します。

このページの目次
1.Google アドセンスの税務情報の更新とは
米国に収益が発生する可能性があるすべてのパブリッシャーは、Google アドセンス上で税務情報の提出が必要です。
日本に住んでいても例外ではなく、Googleからの案内に従って米国の税務フォーム「W-8BEN」などを提出し、源泉徴収の適用を最小限に抑えることが目的です。

期限内に対応しないと、収益の支払いが保留されることがあるため、必ず確認して手続きを済ませましょう。
2.税務情報の更新の案内の様子
Google アドセンスのホーム画面や登録メールアドレスに「税務情報の提出が必要です」といった通知が届くと、対応が求められているサインです。
通知は「お客様の税務フォームは YYYY/MM/DD に期限が切れます。お客様が新しい税務フォームを提出し、それが承認されるまで、Google はお支払いから最大 30% の源泉徴収を行うか、お支払いを完全に保留する場合があります。」と表示されます。

通知は Google アカウントにログインするたびに表示されることもあり、無視できない重要な案内です。
3.Google アドセンスで税務情報の更新を行う方法
税務情報の更新は Google アドセンスの管理画面から簡単に行うことができます。
この章では、具体的な入力画面の開き方から各項目の記入方法、証明書類の提出、そして審査完了までの流れを順を追って紹介します。
不安になりがちな海外向けの書類対応ですが、ひとつずつ確認すればスムーズに進められます。
3-1.「お支払い情報」を開く
まずは Google アドセンスの管理画面にログインし、左側メニューから「お支払い情報(Payments)」をクリックします。
ここでは、過去の収益履歴や支払い方法、税務情報の確認・編集ができるセクションになっています。
このステップを踏むことで、税務情報を入力する画面へと進む準備が整います。
3-2.「新しいフォームを送信」をクリックする
「お支払い情報」ページ内に「税務情報」という項目があり、ここで「新しいフォームを送信(Submit new form)」ボタンをクリックします。
これにより、米国税務情報の入力に進むことができます。
既存の情報を更新する場合でも、新しいフォームの送信が必要になることがあります。

「新しいフォームを送信」をクリックすると下図のように以前送信したフォームは削除する旨のメッセージが表示されます。
ここから新しいフォームに上書きするため「新しいフォームの作成を開始」をクリックします。

続いて、新しいフォームの更新の作業の前に注意事項が表示されます。
内容を確認して「フォームを開始する」をクリックします。

3-3.米国の税務情報を入力する
ここでは「W-8BEN」フォームを選択し、必要事項を入力します。主に氏名、国籍、居住国、納税者番号(個人の場合は不要)などの情報が求められます。
選択肢が多く出てきますが、日本居住者で個人アカウントの場合は「個人(Individual)」「W-8BEN」が基本です。入力内容は今後の税制上の扱いにも関わるため、慎重に記入しましょう。
最初に口座の種類が問われるので「個人」を選択します。

次に米国民、及び米国に居住しているか問われるので「いいえ」を選択します。

W-8 納税申告用紙タイプは「W-8BEN」を選択します。

続いて W-8BEN 納税フォームで「個人名」にローマ字でフルネームを入力し、「DBA」は空欄、「市民権のある国/地域」で「日本」を選択します。
「外国のTIN」にマイナンバーを入力しましょう。
「DBA(ビジネス形態)または事業体」と「米国の ITIN または SSN」は空欄のままで「次へ」をクリックします。

住所の入力はすべてローマ字で、最後に「送付先住所は定住所と同じである」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。

「租税条約」の「租税条約下で源泉徴収に適用される軽減税率の請求を行っていますか?」で「はい」を選択します。

「その他の著作権ロイヤリティ」で「映画やテレビのロイヤリティ」のチェックボックスを有効にし、「条項と段落」で「第12条第1項」を選択、「源泉徴収率」で「0%(軽減税率)」を選択します。

「米国内で行っている活動とサービス」は「いいえ」を選択します。

「税金に関するレポート」は「ペーパーレスを選択する」を選びます。

ここまででブラウザから入力した内容が W-8BEN の書式で作成されるのでダウンロードして間違いがないか確認します。

間違いがなければ「私は、偽証した場合偽証罪で罰せられるという条件の下、次を誓約します。」にチェックします。

偽証罪など少し怖い単語が出てきますが、「私は、偽証罪に問われる・・・」にはチェックを入れずに、「はい、私は納税者番号欄に記載されている受益者です」にチェックして、「戸籍上の姓名」にローマ字で氏名を入れます。

3-4.氏名証明書類をアップロードする
米国での納税義務がないことを証明するため、パスポートやマイナンバーカードなど、本人確認ができる氏名証明書類のアップロードが必要になる場合があります。
アップロード形式や条件(スキャン画像やPDFなど)にも注意して、明確に読み取れる状態のファイルを提出しましょう。

今回は運転免許証をスマホで撮影し、画像をパソコンで取り込んでアップロードしたり、スマホから税務情報を更新している場合はそのまま画像を選択します。

画像をアップロードすると確認中の画面が表示されます。
以上で更新操作は終了となるため「OK」を押します。

3-5.審査の連絡を待つ
すべての情報と書類を提出したあとは、Google側での審査結果を待ちます。
通常、数日以内に結果が通知され、審査が通れば税務情報の更新が完了となります。

審査状況はアドセンスの管理画面でも確認できるので、定期的にチェックしておきましょう。
対応が早ければ収益の支払いにも影響しません。
4.まとめ
Google アドセンスの税務情報の更新は、一見複雑そうに見えますが、手順に沿って進めればスムーズに完了できます。
通知が届いたら早めに対応し、正確な情報を入力することが大切です。
特に米国との取引がある Google では、税務手続きが厳格であり、放置すると収益の支払いが保留されることもあるため注意が必要です。
本記事の内容を参考に、落ち着いてひとつずつ進めていきましょう。