Inkscape で作る!説明資料に使える枠線と矢印の追加方法ガイド


[初回公開] 2025年07月01日

プレゼン資料やマニュアルをわかりやすくするには、図やスクリーンショットに「枠線」や「矢印」を加えて強調するのが効果的です。画像編集ソフトは多くありますが、無料で高機能な「Inkscape」を使えば、誰でも手軽に見やすい解説図を作成できます。本記事では、Inkscape の基本的な使い方から、スクリーンショットに赤枠・矢印を追加する具体的な手順までを解説します。図解初心者でもすぐに実践できる内容になっていますので、資料作りの効率アップを図りたい方はぜひ参考にしてみてください。

Inkscape で作る!説明資料に使える枠線と矢印の追加方法ガイド

1.Inkscape とは

Inkscape は無料で使えるオープンソースのベクター画像編集ソフトです。
Adobe Illustrator に似た操作性を持ちつつ既に製造販売終了した Fireworks の後継として用いられており、商用利用も可能なライセンス(GPL)で、個人・法人問わず利用されています。

Inkscape とは


線や図形、テキストなどの扱いが柔軟で、解説図やアイコン制作などに最適です。
動作も軽量で、Windows・Mac・Linux と幅広い OS に対応しています。

特に、図を直感的に整えられる操作性は、説明資料のビジュアル化に強い力を発揮します。

2.説明資料に枠線と矢印で強調するメリット

資料を見る側にとって、資料に枠線や矢印があると図のどの部分を見ればよいかが明確になると、情報の理解が一気に深まります。

そのためには、枠線や矢印などで「ここを見て!」という視覚的なガイドを設けることが有効です。
テキストだけでは伝わりにくい要点も、図と組み合わせることで直感的に伝えられます。

さらに、視線誘導が上手くいけば、資料全体の印象もスッキリとして見えやすくなり、読み手の集中力も向上します。
これが、説明資料にビジュアル要素を加える大きなメリットです。

3.Inkscape で枠線と矢印を追加する方法

Inkscape を使ってスクリーンショットに枠線や矢印を追加する操作は、非常にシンプルです。
この章では、スクリーンショット画像の準備から始まり、Inkscape での読み込み、サイズ調整、そして視覚的に強調するための赤枠線や赤い矢印の描き方をステップごとに詳しく解説します。

最終的に PNG 形式で保存すれば、PowerPoint やマニュアルにすぐ使える解説図が完成します。
図を強調したい箇所に合わせて、的確な視線誘導ができるような操作テクニックを身につけましょう。

3-1.スクリーンショットなど説明用の図用意する

まずは強調したい操作や画面をスクリーンショットとして保存しておきます。
Windows なら[PrintScreen]キーや[Snipping Tool]、Macなら[Command+Shift+4]で部分キャプチャが可能です。

解説する箇所がはっきりと写っている画像を選びましょう。
この画像が Inkscape で編集する元となるため、明るさや解像度などの品質も重要です。
画像ファイル形式は、PNG や JPEG などが一般的です。

スクリーンショットなど説明用の図用意する

今回は Windows の設定画面をスクリーンショットしました。

3-2.Inkscape を起動してスクリーンショットを読み込む

Inkscape を起動したら、「ファイル」メニューから「インポート」を選び、先ほど保存したスクリーンショットを読み込みます。
インポート時には「埋め込み」を選択するのが基本です。

Inkscape を開く

「インポート」を選択すると「リンク」か「埋め込み」を選べますが、埋め込みのほうが編集しやすいです。

「埋め込み」を選択

これにより、画像が Inkscape の SVG ファイル内に保存されるため、他の PC で開いたときにも画像が表示されます。
読み込んだら、選択ツール(矢印アイコン)で画像をクリックして配置位置を調整します。

3-3.画像のサイズや位置を調整する

読み込んだ画像の大きさや位置が見やすくなるように調整しましょう。
画像をクリックして選択し、四隅のハンドルをドラッグすることで拡大・縮小できます。

拡大・縮小でキャンパスに合わす

Shift キーを押しながらドラッグすると、縦横比を保ったまま調整できます。
必要に応じて、キャンバスサイズも「ファイル」→「ドキュメントのプロパティ」から変更可能です。

資料に収まるサイズ感に整えることが、後の加工や書き出しにも役立ちます。

3-4.赤い枠線を描く

図の中で特に注目してほしい部分には、赤い枠線を引きましょう。
左側ツールバーの「矩形ツール」を使って囲いたい部分をドラッグします。

「矩形ツール」を使って囲いたい部分をドラッグ

選択後、塗りつぶしを「なし」にし、ストローク(線)の色を赤に設定します。
線の太さは、右側の「フィルとストローク」パネルから 2 ~ 3px 程度に調整すると見やすくなります。
多用しすぎず、ポイントを絞って枠を入れると効果的です。

3-5.赤い矢印を描く

矢印はベジェ曲線ツールを使って描きます。
ツールバーから「ペン」アイコンを選び、始点と終点をクリックして直線を引きます。

描いた線を選択したら、右側の「フィルとストローク」パネルでストロークの色を赤に変更し、「マーカー」項目で線の終点に矢印を設定できます。

「フィルとストローク」パネルでストロークの色を赤に変更

直線だけでなく、少し曲げた線にしても自然です。

矢印を描く

矢印で視線を誘導することで、説明の流れがスムーズになります。

3-6.書き出して PNG で保存する

編集が終わったら、完成した画像を PNG 形式で書き出します。
メニューの「ファイル」→「エクスポート PNG 画像」を選び、エクスポート範囲を「ページ」や「選択オブジェクト」などから選びます。

「エクスポート PNG 画像」を選択

保存先とファイル名を指定したら「エクスポート」ボタンを押します。
これで解説資料などに使える画像として完成です。

PowerPoint や Word にそのまま挿入しても、視認性の高い資料が作れます。

尚、作業が完了して再編集したい場合は「ファイル」→「名前を付けて保存」で Inkscape の SVG 形式で保存できます

4.まとめ

Inkscape は無料かつ高機能なソフトで、説明資料用の図解を効率的に作ることができます。
枠線や矢印を加えるだけでも、情報の伝わりやすさは格段に向上します。

操作に慣れれば、数分で分かりやすい画像を作れるようになるでしょう。
特に社内マニュアルやプレゼン資料など、正確かつ迅速に情報を伝える場面では、こうした図解の力が大きな武器になります。
ぜひ、日々の業務に活用してみてください。

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