[初回公開] 2025年07月26日
WordPress でテーマをアップロードしようとした際にエラーが発生し、作業が進まないことがあります。特に「アップロードされたファイルが php.ini の upload_max_filesize ディレクティブを越えています。」というメッセージはよく見られる問題です。本記事では、WordPress が PHP プログラムで動作している仕組みを理解し、アップロードファイルサイズの制限が原因で起こるエラーの対処法を詳しく解説します。初心者でも分かりやすいように、設定ファイルの編集やサーバー再起動のポイントも紹介します。

このページの目次
1.WordPress は PHP のプログラムで動作している
WordPress は PHP というプログラミング言語で作られた CMS(コンテンツ管理システム)です。
PHPは サーバー上で動作し、ウェブページを生成しています。

そのため、WordPress の動作は PHP の設定に大きく依存しています。
特にファイルのアップロードや処理は PHP の設定により制限されることが多いため、問題が起きた場合は PHP の動作を理解することが解決の第一歩となります。
2.PHP にはアップロードできるファイルサイズが決まっている
PHP にはアップロード可能なファイルの最大サイズが設定されています。
これは「upload_max_filesize」や「post_max_size」などの php.ini の設定項目によって管理されています。
この制限はセキュリティやサーバー負荷の観点から設けられており、デフォルト値は比較的小さいことが多いです。
テーマなどの大きなファイルをアップロードする際はこの設定が原因で失敗するケースが多くあります。
3.「アップロードされたファイルが php.ini の upload_max_filesize ディレクティブを越えています。」が出る様子
WordPress でテーマをアップロードするとき、ファイルサイズが PHP 設定の上限を超えるとエラーメッセージが表示されます。
特に「アップロードされたファイルが php.ini の upload_max_filesize ディレクティブを越えています。」というエラーは非常に一般的です。

このエラーはファイルサイズ制限が厳しいためにアップロードが拒否されたことを示しています。
画面での表示やログファイルでの確認方法も含めて解説します。
4.WordPress のアップロードできるサイズを増やす方法
PHP の設定変更でアップロード可能なファイルサイズを増やすことができます。
まずは php.ini の「upload_max_filesize」と「post_max_size」を見直し、必要に応じて値を大きくします。
さらに、PHP 処理時間を決める「max_input_time」も確認する必要があります。
変更後は php-fpm や Apache(httpd)の再起動が必要で、これらの手順を踏むことでエラーを解消しテーマのアップロードが可能になります。
4-1.php.ini を変更する
php.ini は PHP の動作設定を管理するファイルです。
ここで upload_max_filesize や post_max_size を編集してアップロード可能なファイルサイズの上限を引き上げます。

設定値はサーバーのスペックや用途に応じて適切に調整してください。編集後は保存してサーバーの再起動が必要となります。
; Maximum allowed size for uploaded files. ; http://php.net/upload-max-filesize upload_max_filesize = 2M ↓ upload_max_filesize = 128M ; Maximum size of POST data that PHP will accept. ; Its value may be 0 to disable the limit. It is ignored if POST data reading ; is disabled through enable_post_data_reading. ; http://php.net/post-max-size post_max_size = 8M ↓ post_max_size = 128M ; Maximum execution time of each script, in seconds ; http://php.net/max-execution-time ; Note: This directive is hardcoded to 0 for the CLI SAPI max_execution_time = 30 ↓ max_execution_time = 300 ; Maximum amount of time each script may spend parsing request data. It's a good ; idea to limit this time on productions servers in order to eliminate unexpectedly ; long running scripts. ; Note: This directive is hardcoded to -1 for the CLI SAPI ; Default Value: -1 (Unlimited) ; Development Value: 60 (60 seconds) ; Production Value: 60 (60 seconds) ; http://php.net/max-input-time max_input_time = 60 ↓ max_input_time = 300
4-2.max_input_time を使っている他のファイルを見直す
アップロード時の処理時間を制限する max_input_time の設定が他にも設定されていないか見直しましょう。
php.ini 意外にも zabbix.conf など PHP の挙動に関する設定が入っているファイルが前述の upload_max_filesize や post_max_size の後ろで読み込まれると上書きされるでので、適切に設定が適用されないことがあります。
4-3.php-fpm の再起動
PHP-FPM(FastCGI Process Manager)は PHP の処理を管理するサービスです。
php.ini を変更した後は php-fpm の再起動が必要です。
これにより新しい設定が反映されます。
再起動方法はサーバー環境によりますが、一般的にはコマンドラインからサービスを再起動します。
また、Apache に PHP が既に組み込まれている環境は PHP-FPM がないため、再起動は不要です。
4-4.httpd の再起動
Apache(httpd)はウェブサーバーのソフトウェアです。
PHP の設定変更を反映させるため、または PHP-FPM の再起動後にウェブサーバーも再起動することが望ましいです。
これにより、ウェブサーバーと PHP の連携が正常に動作し、アップロードの問題が解消されやすくなります。
5.まとめ
WordPress のテーマアップロード時に発生するエラーは、多くの場合PHPのアップロードファイルサイズ制限が原因です。
php.ini の upload_max_filesize や post_max_size、max_input_time を適切に調整し、php-fpm やウェブサーバを再起動することで解決できます。
サーバーの設定を正しく理解し、適切に対応することで、スムーズなテーマアップロードが可能となります。
本記事の手順を参考に問題を解決してください。









