[初回公開] 2025年08月26日
Excelファイルを開いたとき、最初にどのセルが表示されるかで、相手に与える印象や作業のしやすさが大きく変わることをご存じですか?特に業務で他人と共有するExcelファイルでは、カーソルがどの位置にあるかを意識するだけで、ファイルの見やすさや使いやすさが向上します。本記事では、なぜセルA1にカーソルを戻しておくのが望ましいのか、そしてそれを全シートに一括で適用するマクロの作り方までを、実践的に解説します。

このページの目次
1.Excel でカーソルをセル A1 にする理由
Excel ファイルを開いたときに、どのセルが表示されているかで「見やすさ」や「作業のしやすさ」が大きく変わります。
特に他人と共有する場合、セルの位置がバラバラだと雑然とした印象を与えてしまうことも。

そこで有効なのが、あらかじめカーソルをセルA1に戻しておくことです。
この章では、なぜ A1 セルにカーソルを戻すことが推奨されるのかを、実際の IT 現場を経験した上で運用のメリットとともに詳しく解説します。
1-1.次に開いたときにスクロールが不要
Excel ではファイルを保存したときのカーソル位置が次回開いたときの表示位置になります。
そのため、最後に入力していたセルが画面中央にあると、改めて一番上にスクロールする必要が出てきます。

あらかじめカーソルを A1 に戻して保存しておくことで、次に開く人がスムーズに作業を始められ、無駄な操作が省けます。
1-2.開いたときに整っているイメージ
見た目の第一印象は、資料の評価にも影響します。
開いたときにカーソルがバラバラの場所にあると、「雑に作られたファイル」と感じられることも。
一方で、カーソルが常に A1 にあり、シートの一番上から表示されるファイルは、整っていて丁寧な印象を与えられます。
ビジネス用途では特に重要なポイントです。
特に取引先や納品物として Excel を提出する場合は、A1 セルにカーソルを合わせておくと丁寧な仕事をファイルを開いた人に印象を与えることができるのでよいでしょう。
2.マクロで全シートのカーソルを A1 に一括移動する方法
複数のシートを持つ Excel ファイルで、手動ですべてのシートのカーソルを A1 に戻すのは非常に手間です。
そこで便利なのが VBA マクロを使った自動化。
簡単なコードを記述することで、すべてのシートのカーソルを一括でセル A1 に移動させることが可能になります。
この章では、実際に使えるマクロコードの記載方法と実行手順について、初心者にもわかりやすく解説します。
2-1.Visual Basic にマクロを記載する
複数のシートがある Excel ブックで、すべてのシートのカーソルを A1 に戻すには、マクロ(VBA)を使うのが便利です。
Visual Basic Editor を開いて、以下のようなコードを標準モジュールに貼り付けます。

Sub Cursor_A1()
' 画面更新をさせない(チカチカするため)
Application.ScreenUpdating = False
Dim ws As Worksheet
' 各シートを順番に見ていく
For Each ws In Worksheets
' カーソルをA1に移動
ws.Select
Range("A1").Select
' 表示位置を左上端に移動
ActiveWindow.ScrollColumn = 1
ActiveWindow.ScrollRow = 1
' 表示倍率を100%に戻す
ActiveWindow.Zoom = 100
Next ws
' 1枚目のシートに移動
Sheets(1).Select
'画面更新を再開させておく
Application.ScreenUpdating = True
' メッセージを表示
MsgBox "処理が完了しました"
End Sub
2-2.マクロを実行する
コードを入力したら、リボンの「マクロの実行」から作成したマクロを選択するだけで OK です。
たった一度の操作で、すべてのシートがきれいに整い、見た目もスマートな Excel ファイルになります。

保存前にこのマクロを実行しておくことを習慣化すれば、社内外の評価にも繋がります。
3.まとめ
Excel ファイルを開いたときの見た目や使いやすさは、細かい配慮によって大きく変わります。
特にカーソル位置をセル A1 に戻しておくことで、作業効率や印象が格段に向上します。
マクロを使えば、複数シートにも簡単に対応できるので、業務で Excel を頻繁に使う方には非常におすすめです。
ぜひ今回の内容を実践して、よりスマートな Excel 運用を目指しましょう。









