[初回公開] 2025年08月04日
WordPress は、ブログやウェブサイトを手軽に構築できる人気の CMS です。中でも Linux OS を使えば、安定性や自由度の高さから本格的なウェブ運用にも適しています。本記事では、Linux OS に WordPress をインストールする具体的な手順と必要な準備、そして導入によるメリットまでを丁寧に解説します。初心者の方でもステップ通りに進めれば、すぐに WordPress サイトを立ち上げることができます。

このページの目次
1.Linux OS で WordPress を動かすメリット
AlmaLinux や MiracleLinux など Linux OS 上で WordPress を運用する最大のメリットは、コストの安さと安定性です。
Linux は無料で利用でき、サーバー用途に特化した軽量なディストリビューションも豊富に存在します。

また、WordPress との相性も良く、トラブルが少ないため長期運用に適しています。
セキュリティ面でも優れており、ユーザーやグループの管理を柔軟に行える点もポイントなのでビジネスで利用される際には Windows サーバより Linux サーバが選択されることが多いです。
実際に私もビジネスとして利用する場合は Linux OS で導入費用を抑えつつ、運用では安定して保守するために Linux OS で WordPress を稼働させています。
これらの特徴から、開発者はもちろん、個人ユーザーにも Linux での運用は人気になっています。
2.WordPress とは
WordPress は、世界中で利用されているオープンソースの CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。
HTML や PHP の知識がなくても、テーマやプラグインを使って見栄えの良いサイトを構築できます。
ブログはもちろん、企業サイトやネットショップなど、さまざまな用途に対応できる柔軟性も魅力です。
開発者コミュニティも活発で、情報が豊富にあるため、困ったときにも対処しやすい環境が整っています。
3.WordPress をインストールする前に Linux にインストールしておくもの
WordPress を Linux 上にインストールするには、事前にいくつかのソフトウェアを準備しておく必要があります。
基本的には「Apache(または Nginx)」「PHP」「MySQL(または MariaDB)」の 3 つが必須です。
これらは LAMP 構成と呼ばれるセットアップの一部で、WordPress が正常に動作するための土台となります。
また、必要な PHP 拡張モジュールや、ファイアウォールの設定確認も忘れずに行いましょう。
その他、Wordpress から不正アクセスなどメールで通知させるなら「Postfix」、日々のサーバのリソースをログに残すのであれば「sysstat」などを入れておきましょう。
4.Linux OS に WordPress をインストールする方法
Linux OS に WordPress をインストールするには、いくつかのステップを踏む必要があります。
まずデータベースを作成し、その後 WordPress のプログラムを公式サイトからダウンロードします。
次に、Apache 用の設定ファイルを整え、WordPress の設定ファイルを編集して、インストール画面にアクセスします。
それぞれの工程を順番に実行することで、スムーズに WordPress を起動させることができます。
4-1.WordPress 用のデータベースを作成する
WordPress は記事データやユーザー情報などをデータベースに保存します。
MySQL や MariaDB で、WordPress 専用のデータベースとそのユーザーアカウントを作成しましょう。
コマンドラインから CREATE DATABASE や GRANT を使用して設定します。
セキュリティの観点から、WordPress 専用のユーザーには最低限の権限を与えるのがベストです。
この作業が完了すれば、WordPress のインストール時にデータベース接続情報を設定できるようになります。
# mysql -u root -p Enter password: → パスワード設定してないのでそのままエンターキー mysql> create database wordpress; mysql> create user wpuser@localhost identified by 'wpuser'; → ここでは DB ユーザを「wpuser」にしている mysql> grant all privileges on wordpress.* to wpuser@localhost;
4-2.WordPress のプログラムをダウンロードする
WordPress の公式サイトから最新版をダウンロードし、サーバー上に配置します。
Linux では wget や curl を使ってコマンドラインからダウンロードすることが可能です。
取得後は、tar コマンドで解凍し、Apache の公開ディレクトリ(例:/var/www/html)にコピーします。
このとき、適切な所有者やパーミッションに変更しておくことが重要です。
これにより、Web サーバーが WordPress のファイルを正常に読み書きできます。
https://ja.wordpress.org/download/releases/ → ダウンロードするバージョンを確認 # cd /root # wget https://ja.wordpress.org/wordpress-6.8-ja.tar.gz # tar -xzvf wordpress-6.8-ja.tar.gz → /root/wordpress ができる # mv wordpress /var/www/ 【必要に応じて】# chown -R apache.apache /var/www/wordpress
4-3.WordPress 用の Apache の設定ファイルを用意する
Apache を利用する場合は、WordPress を表示させるための仮想ホスト設定(VirtualHost)が必要です。
設定ファイルには、ドキュメントルートやサーバーネーム、ログの出力先などを記述します。
設定ファイルは通常 /etc/httpd/conf.d/ や /etc/apache2/sites-available/ に作成し、内容を適用後は Apache を再起動します。
正しく設定されていれば、指定したドメインで WordPress にアクセスできるようになります。
# cd /etc/httpd/conf.d/
# touch wordpress.conf
# vi wordpress.conf
↓↓下記を記入
# WordPress monitoring system php web frontend
#
Alias /wp /var/www/wordpress
ProxyTimeout 300
<Directory "/var/www/wordpress">>
Options FollowSymLinks
AllowOverride None
Require all granted
<IfModule dir_module>
DirectoryIndex index.php
</IfModule>
</Directory>
↑↑ここまで
# systemctl restart httpd
# systemctl status httpd
4-4.WordPress の設定ファイルを編集する
WordPress には wp-config.php という設定ファイルがあり、ここにデータベース情報を記入します。
wp-config-sample.php をコピーして作成し、DB_NAME や DB_USER、DB_PASSWORD などを記入して保存しましょう。
必要に応じて、セキュリティキー(SALT)やデバッグ設定もこのファイルで行います。
ここでの設定が正しければ、WordPress が正しくデータベースに接続でき、インストールが進行します。
# cp /var/www/wordpress/wp-config-sample.php /var/www/wordpress/wp-config.php
# vi /var/www/wordpress/wp-config.php
↓↓下記を記入
<?php
// ** Database settings - You can get this info from your web host ** //
/** The name of the database for WordPress */
define( 'DB_NAME', 'wordpress' );
/** Database username */
define( 'DB_USER', 'wpuser' );
/** Database password */
define( 'DB_PASSWORD', 'wpuser' );
/** Database hostname */
define( 'DB_HOST', 'localhost' );
/** Database charset to use in creating database tables. */
define( 'DB_CHARSET', 'utf8mb4' );
/** The database collate type. Don't change this if in doubt. */
define( 'DB_COLLATE', '' );
define( 'AUTH_KEY', '(元のまま)' );
define( 'SECURE_AUTH_KEY', '(元のまま)' );
define( 'LOGGED_IN_KEY', '(元のまま)' );
define( 'NONCE_KEY', '(元のまま)' );
define( 'AUTH_SALT', '(元のまま)' );
define( 'SECURE_AUTH_SALT', '(元のまま)' );
define( 'LOGGED_IN_SALT', '(元のまま)' );
define( 'NONCE_SALT', '(元のまま)' );
$table_prefix = 'wp_';
define( 'WP_DEBUG', false );
/* Add any custom values between this line and the "stop editing" line. */
/* That's all, stop editing! Happy publishing. */
/** Absolute path to the WordPress directory. */
if ( ! defined( 'ABSPATH' ) ) {
define( 'ABSPATH', __DIR__ . '/' );
}
/** Sets up WordPress vars and included files. */
require_once ABSPATH . 'wp-settings.php';
↑↑ここまで
4-5.ブラウザでアクセスしてインストールを完了させる
すべての準備が整ったら、ブラウザで WordPress の URL(http://{IP アドレス}/wp/)にアクセスしてインストールウィザードを起動します。
言語の選択、サイト名や管理者アカウントの入力を進めれば、数分で WordPress の初期設定が完了します。
ログイン後はダッシュボードにアクセスでき、記事の投稿やテーマの変更が可能になります。
ここまで完了すれば、あとは自由に WordPress を活用してサイト運営が始められます。
ブラウザでアクセスすると下図のように WordPress のインストールトップ画面が表示されます。

次に MySQL または mariaDB に作成したデータベース名とデータベースユーザの情報を入力します。

もし下図のようにデータベースに接続できない画面が表示された場合は、ユーザ名やパスワードに間違いがないか確認したり、再度、データベースを作成し直すとよいでしょう。

データベースの接続が完了した後は WordPress の設定ファイルの書き込みチェックが行われます。
もし下図のように書き込みできないエラーが出た場合は、wp-config.php の所有権を確認して root:root ではなく apache:apache などウェブサーバで操作できるようにしましょう。

最後に WordPress に実際に記事を投稿する管理画面の情報を入力します。

インストールが完了すると完了画面が表示され、管理画面にアクセスするとログイン画面が表示されます。


ログインするとダッシュボードが表示され、左メニューから外観となるテーマの操作や記事の投稿を行うことができます。

5.まとめ
Linux OS 上に WordPress をインストールすることで、低コストかつ高性能なウェブサイト運用が可能になります。
本記事で紹介したステップに従えば、初心者でも手軽に WordPress の構築が可能です。
Apache や MySQL、PHP などの基礎知識も自然と身につくので、今後のウェブ開発にも役立ちます。
自由度が高く、拡張性にも優れた環境を手に入れて、あなただけのサイトを構築しましょう。









