Excelで大文字と小文字の違いを統一する方法|LOWER関数の使い方を解説 – Office ソフトの使い方(18)


[初回公開] 2018年10月22日

Excelはセルに入力したデータを集計したり抽出したりできるほか、検索や一括置換など、さまざまなデータ操作が可能です。しかし、セルに自由にデータを入力できるため、同じ意味の文字列でもデータとしては別物と認識されてしまいます。今回は、データを統一する一例として、大文字混じりの文字列を小文字に統一する方法をご紹介します。

Excel で大文字混じりの文字列を小文字に統一する方法 - Officeソフトの使い方(18)

1.Excel で同じ意味でも違うデータと見なされる例

Excelで同じ意味でも違うデータと見なされる例としてよく挙げられるのが「全角と半角」の違いと「大文字と小文字」の違いです。
前者の「全角と半角」の違いは、以下のように『エクセル』を意味していても、文字コードの違いによってExcelでは別のデータとして認識されてしまいます。

Excel で同じ意味でも違うデータと見なされる例


Excel
Excel

また、後者の「大文字と小文字」の違いでは、頭文字が大文字になっているだけで別データとして扱われます。

Excel
excel

2.同じ意味でも違うデータと見なされることの問題点

同じ意味でも違うデータと見なされることで、集計や検索時に正しく該当しないケースが発生します。

例えば、氏名を管理する場合、「山田太郎」と「山田 太郎(スペースあり)」のように、わずかな違いでもExcelでは別のデータとなり、検索にヒットしないことがあります。

そのため、Excelにデータを入力する際は「姓名の間にスペースを入れない」「英単語はすべて小文字・半角で統一する」といったルールを設けて運用することが望ましいです。

しかし、すでに入力済みのデータが多い場合は、関数を使って効率的にデータを統一する方法もあります。
ここでは、大文字混じりの文字列を小文字に統一する方法をご紹介します。

3.大文字混じりの文字列を小文字に統一する方法

Excelでは、大文字混じりの文字列を小文字に統一するための関数「LOWER」が用意されています。既存のセルを残しつつ、新しいセルに変換後のデータを表示することが可能です。

3-1.大文字混じりの文字列の様子

大文字混じりの文字列とは、たとえば「Excel」や「Word」のように、頭文字が大文字になっている英単語のことです。

大文字混じりの文字列の様子

英語としては正しい形ですが、Excelのデータ処理上は「Excel」と「excel」は別物となるため、統一することが望ましいです。

なお、全角文字やスペースが含まれていても、LOWER関数は英字だけを小文字に変換してくれるため安心です。

3-2.小文字に統一する関数を入力する

小文字に統一するためには、Excelに用意されている「LOWER」関数を使います。
空いているセルに以下のように関数を入力することで、対象の文字列を小文字に変換できます。

=LOWER(セルの位置)

LOWER 関数で小文字に統一した様子

上図では、変換元のセルが B2 にあるため、LOWER 関数の引数として「B2」を指定しています。

もし B列に複数のデータがある場合は、LOWER関数を一つ入力したあと、そのセルを下方向にコピーするだけで他の行も一括で変換できます。

最後に、変換されたセル(たとえばD列)をコピーして、B列に「値のみ貼り付け」すれば、LOWER関数を削除して変換後のデータだけを残すことができます。

4.まとめ

Excelでは、見た目が同じようでも「全角と半角」「大文字と小文字」の違いで別データと認識されてしまうため、注意が必要です。
集計や検索が正確に行えないといった問題を防ぐためにも、LOWER関数を活用して文字列を小文字に統一することは非常に有効です。

最近では、ChatGPTなどのAIによってExcelの関数活用がますます注目されています。AIに入力内容のルールや変換関数を相談することで、作業効率をさらに高めることも可能です。

データ入力のルール作成と関数の活用を組み合わせて、誰が見てもわかりやすい、正確なデータ管理を心がけましょう。

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