[初回公開] 2022年05月21日
LINE は友だち同士で連絡や会話する以外に、公式アカウントを作成してそのアカウントに友だち追加してくれた人に案内(プッシュ通知)をして販売促進につなげる活用方法があり、公式アカウントの作成とプッシュ通知をする方法について紹介します。初心者の方でも順を追って実践できる内容になっています。

このページの目次
1.LINE の公式アカウントとは
LINE の公式アカウントとは、SNS の LINE 内に企業や店舗がアカウントを作り、一般利用者が友だち登録することでその利用者へ情報を提供することができる機能です。


LINE 公式アカウントを取得するためには上図のように LINE for Business の画面よりボタン「LINE 公式アカウント開設(無料)」をクリックして開始します。

また、LINE 公式アカウントは無料で利用できますが、メッセージが送信できる通数が 1,000 通までと制限があり、もし登録されている友だちが 1,000 人を超えている場合は送信対象を絞ってプッシュする必要があります。
そのため、より多くの利用者にメッセージを届けたい場合は月額費用を支払うことで実現できます。
2.LINE の公式アカウントの活用方法
LINE の公式アカウントの活用方法としては、友だち追加したユーザにリアルタイムにメッセージを送ったり、クーポンをトーク上に添付することで販売または来店促進につなげることが挙げられます。
自治体であれば防災や防犯情報をプッシュ通知することで住民が安全に暮らせるように情報提供するサービスが実際に展開されています。
また、チャット機能があるため友だち追加した利用者が問い合わせする際のツールとしても利用されています。
3.友だち追加した人に一斉にプッシュ通知する方法
友だち追加した人に一斉にプッシュ通知する方法としては、LINE に公式アカウントを作成した上で、メッセージを一斉に送る機能を利用します。
メッセージを送る場合は LINE ビジネスアカウントでログインする管理画面「LINE Official Account Manager」でマウスとキーボードの操作だけで行えるとともに、プログラムを利用して自動化する場合は「Messagein API」を利用します。
3-1.LINE ビジネスアカウントを作成する
友だちにプッシュ通知する場合はまず LINE ビジネスアカウントを作成する必要があります。
下図のように LINE for Business にブラウザでアクセスして、ボタン「アカウントの開設(無料)」をクリックします。

ボタン「アカウントの開設(無料)」をクリックすると LINE へのログイン選択画面が表示されるので、リンク「アカウント作成」をクリックします。

次に、ログインに利用するメールアドレスを入力してボタン「登録用のリンクを送信」をクリックします。

ボタン「登録用のリンクを送信」をクリックすると入力したメールアドレス宛てに下図の内容のメールが届きます。
そのメール本文内にある URL をコピーしてブラウザに貼り付けてアクセスするか、メール内にボタン「登録画面に進む」が表示されていれば、このボタンをクリックします。

届いたメールの情報から改めて管理画面をブラウザで開くと、名前とログインに必要なパスワードを設定してボタン「登録」をクリックします。

必要な情報を入力した後は確認画面が表示され、問題無ければボタン「登録」をクリックします。
最後に「登録が完了しました。」の文字が表示されれば LINE ビジネスアカウントの作成は完了です。


3-2.LINE 公式アカウントを作成する
LINE ビジネスアカウントの作成が完了すると、続いて LINE 公式アカウントを作成します。
公式アカウントの作成に際しては「アカウント名」と「業種」が必須入力となっています。
アカウント名は実際に LINE の画面内に表示される名称となり、全角文字が利用できます。
また、業種は予め用意されている選択肢を利用します。

必要な情報を入力した後は、画面下部にあるボタン「確認」をクリックします。
ボタンクリック後はビジネスアカウント作成時と同様に確認画面が表示され、ボタン「完了」をクリックするとアカウント作成を示す「LINE 公式アカウントが作成されました。」が表示されます。


3-3.LINE Messaging API を設定する
LINE 公式アカウントが作成できれば、実際にアカウントを運用する設定を行います。
公式アカウントの操作は LINE Official Account Manager から行うことができ、この画面にアクセスすると、まず利用規約が表示されるので内容を確認後、ボタン「同意」をクリックして同意します。

LINE Official Account Manager のメイン画面は下図のようになっており、公式アカウントの編集の他に友だちにプッシュ通知するメッセージを作成したり、友だち登録時に自動的にトークで返信する文面を設定することができます。

3-4.LINE API にプッシュ通知する
LINE API にプッシュ通知して友だちにメッセージ送信する場合は、LINE の管理画面より Messaging API を有効化する必要があります。
LINE Official Account Manager の設定画面を開き、左メニューの「Messaging API」を選択します。


続いて、API を利用すると公式アカウントに友だち登録してくれた人の情報取得ができることから、プロバイダーとして開発者個人や企業名を登録します。

加えて、個人情報の取り扱いに際してプライバシーポリシーや利用規約を記載したウェブページが公開されていれば、その URL を登録してボタン「OK」をクリックします。

最後に確認画面が表示されるのでボタン「OK」をクリックすると Messaging API の利用が有効化されます。

次いで、Messaging API を利用するためにはトークンと呼ばれるキーが必要になります。
トークンはプロバイダーを登録した後に確認することができ、LINE Developers の画面を表示して左メニューにある公式アカウントの ID を選択します。

公式アカウントを選択すると下図のように各種設定の画面に切り替わるため、リンク「Messaing API 設定」をクリックします。

リンク「Messaing API 設定」をクリックするとチャネルアクセストークンの欄に文字列が表示されるので、このトークンをコピーして利用します。

最後に取得したトークンを利用して Messaging API にデータを送ると友だち登録者にメッセージを送信することができます。
下記は文字のみの通知を行うリクエストデータのサンプルです。
curl -v -X POST https://api.line.me/v2/bot/message/narrowcast \
-H ‘Authorization: Bearer {channel access token}’ \
-H ‘Content-Type: application/json’ \
-H ‘X-Line-Retry-Key: {UUID}’ \ → 失敗したAPIリクエストを再試行する場合は指定する
-d ‘{
“messages”: [
{
“type”: “text”,
“text”: “test message”
}
]
}
3-5.友だち登録者が通知を受け取った様子
作成した LINE 公式アカウントに友だち登録した人が通知を受け取った様子が下図のようになります。
前述のリクエストデータには「test message」をトークに表示するように指定していたので、その文字列が表示されているのが確認できます。

LINE 公式アカウントとグループ LINE の比較
LINE で情報を共有する方法には「公式アカウントを活用したプッシュ通知」と「グループLINEでの会話」の 2 種類があります。
どちらも多くの人にメッセージを届ける手段ですが、用途や機能に大きな違いがあります。
ここでは、ビジネス利用や一斉通知に適した「公式アカウント」と、身近なコミュニケーションに使われる「グループLINE」の特徴を比較して、目的に合った使い分けができるようにまとめました。
| 項目 | LINE 公式アカウント(プッシュ通知) | LINE グループ |
|---|---|---|
| 利用目的 | 情報配信、販売促進、カスタマーサポートなど | 友人・知人とのチャット、日常的な会話 |
| 配信形式 | 一斉配信(プッシュ通知) | グループ内の会話形式 |
| 配信相手 | フォロワー全員 | 招待されたメンバー |
| 受信側の操作 | 通知を受け取るだけ(返信不要) | 双方向のやり取りが前提 |
| 人数制限 | 制限なし(配信数に応じて料金) | 最大500人まで |
| ブランド性 | 企業・サービス名での発信が可能 | 個人の名前・アイコンが表示 |
| 分析機能 | 閲覧率・クリック率などを可視化可能 | 分析機能はなし |
| 適しているケース | 店舗運営・自治体・EC・企業連絡など | 友人間の連絡、趣味のグループ交流など |
| 料金 | 月1000通までは無料(以降有料) | 完全無料 |
| 業務利用 | ✅ 公式・商用対応 | ❌ 非推奨(不便・限界あり) |
まとめ
LINE 公式アカウントは、企業や店舗がユーザーと直接コミュニケーションを取るための有効な手段です。
無料で始められる上、友だち追加してくれたユーザーに対して一斉に情報を届けることができるため、販売促進やサービス案内、自治体での防災情報の配信など、さまざまな場面で活用できます。
本記事で紹介したように、アカウントの作成からMessaging APIの設定、プッシュ通知の送信方法まで一連の流れを把握すれば、誰でも簡単に運用を開始することができます。ぜひご自身のビジネスや活動にLINE 公式アカウントを活用してみてください。









