スペックが低いノートパソコンで Fortnite(フォートナイト)が遊べるかの検証結果


[初回公開] 2019年02月25日

Fortnite(フォートナイト)は PS4 や Nintendo Switch など異なるゲーム機器同士でも同時にかつ無料(一部有料)で遊べるゲームとあってお金が無い小中学生の間で人気のゲームだが、親子間で遊ぶ場合に子供はゲーム機、親はパソコンを利用する場合にスペックが低いノートパソコンでも遊べるか検証した結果を紹介する。

スペックが低いノートパソコンで Fortnite(フォートナイト)が遊べるか検証した結果

1.Fortnite(フォートナイト)とは

Fortnite(フォートナイト)とは、アメリカの Epic Games が提供するオンライン型のゲームで、プレイヤーはキャラクターを操作して、マップ上に落ちている武器や素材を入手して、他のユーザと銃で撃ち合う内容である。

Fortnite(フォートナイト)のイメージ画像


課金要素はキャラクターの見た目を変えるスキン等だけで、課金有無でゲームの難易度や優劣が変わらないため無課金で遊ぶ小中学生が多い。
また、マイク付きのヘッドセットでゲームをしながら会話できるためコロナ禍で外出を自粛していたり、友達同士で寄り集まって遊べない状況下の中でオンラインで遊ぶ手段として活用されている。

2.Fortnite(フォートナイト)が動作するための最低限必要なスペック

パソコン版の Fortnite(フォートナイト)が正常に動作するためには下記のスペックが要求されている。
Android 版もリリースされているが、パソコン版の要求スペックはスマホ版よりも高く設定されている。

パーツ 必要最小スペック 推奨スペック
CPU Core i3 2.4Ghz Core i5 2.8Ghz
メモリ 4GB 8GB
グラフィック Intel HD 4000 Nvidia GT 660 or AMD Radeon HD 7870 相当 DX11
OS Windows 7/8/10 64-bit or Mac OSX Sierra Windows 7/8/10 64-bit
HDD 15GB 20GB

必要最小スペックの CPU が Core i3 となり、この CPU が発売されたのが 2015 年のためこれよりも古いパソコンは動作しない可能性が高い。

3.Fortnite(フォートナイト)の稼動を試すスペックが低いパソコンの仕様

今回、Fortnite(フォートナイト)の稼動を試すスペックが低いパソコンとして用意したのが 10 年前に購入した「HP Pavilion dv5/CT」と 6 年前に購入した「Lenovo Think Pad Edge E530」である。
どちらも工場出荷時よりメモリを足しており、スペックは次のようになっている。

パーツ dv5/CT E530
CPU Core 2 Duo P8400 2.26GHz/2コア Intel Core i3-2348M
メモリ 4GB(増加済) 4GB(増加済)
グラフィック GeForce 9600M GT Intel HD Graphics 3000
OS Windows 10 64-bit(元はWin Vista) Windows 10 64-bit(元はWin 7)

前者の dv5/CT の方は CPU の性能は低いもののグラフィックボードの GeForce が搭載されており、Fortnite(フォートナイト)とジャンルは異なるがフィールドを駆け回る 3D 描画の「モンスターハンターフロンティア」が正常に動作していたので Fortnite(フォートナイト)も動作するのではと想像される。

後者の E530 は Core i3 ではあるものの性能は低く、さらにグラフィックボードが無い状態である。
dv5/CT と E530 の CPU は製品が異なるもののベンチマークは同等程度である。

4.スペックが低いパソコンで Fortnite(フォートナイト)が起動するまでの時間

前述したスペックが低いパソコンに Fortnite(フォートナイト)をインストールし、ゲームのショートカットをダブルクリックして起動してから自身のキャラクターを自由に動かせられる状態になるまでにかかった時間が下記である。
尚、高速起動と動作を目的に画質等の設定は全て「低」とし、演出類は「オフ」にしている。

動作 dv5/CT の時間 E530 の時間
ダブルクリックしてからタイトル画像表示まで 約 3 分 約 3 分
タイトル画像表示からロードしてモード選択表示するまで 約 5 分 約 5 分
モード選択からロビー表示まで 約 1 分 約 1 分
ロビーからマップ降下まで(待機場に行かない) 約 3 分 約 3 分
合計 約 12 分 約 12 分


どちらも起動は成功し、操作できるようになるまでの読み込み時間等も含めて約 12 分かかるのがわかる。
元々 Fortnite(フォートナイト) は Nintendo Switch などでもロード時間が長いが、それよりも時間がかかっていることになる。

5.スペックが低いパソコンで動かした結果

スペックが低いパソコンで動かした結果として、今回用意した dv5/CT と E530 ともにゲームが起動して落ちることなく遊ぶことができるが 2 つの大きな問題が挙げられる。

1 点目はゲームが始まるまでのロード時間の長さで、上記の表のように初回の起動からキャラクターを操作するマップに降下が始まるまで 15 分近くかかる。
1 回のプレイで 15 分も待たされるのは時間を非常に無駄にしている。
また、待っている間に他のプレイヤーは同じマップ上で先にゲームが開始されているため、ゲームが始まったとたんに撃たれて終了になることも多く、ストレスを感じやすい。

2 つ目はゲームが始まっても他プレイヤーと地形の読み込みが遅く、処理が追い付いていないがためにこちらも何もできずに他プレイヤーに撃たれて終了になりやすい。
まずはマップへの降下を開始してもその時点で自分のキャラクターが表示されておらず、勘でグライダー開いて着地しても数分経ったところでキャラクターが表示されるので自分がどこに降り立ったかわからない。



また、建物類の読み込みが完了するまではぼんやりしたダミーの画像が表示されるが、実体はともなっておらずツルハシを振っても当たり判定が無いので素材が入手できない。
もちろん武器類が表示されないのでゲームが開始しても数分はただ歩くだけとなる。

6.検証のまとめ

スペックが低いノートパソコンで Fortnite(フォートナイト)が遊べるか検証した結果としては、「起動はするもののゲームとしては楽しめるものではない」である。

他のプレイヤーに遭遇することなく地形等のデータが読み込まれれば落ちている武器を手に取って操作は可能だが、正常に使えるようになるまでが長いので大半はすぐに撃たれて終了し、また次の開始まで 15 分待機となりゲームとしては遊べていないに等しい。

そのため、パソコンの新しいまたは古いに関わらず必要最小のスペックとなる CPU の Core i3 があったり、グラフィックボードのチップがあるからと言っても安心できないのがわかった。

7.[追加調査] HDD から SSD にすると改善するか調査

前述の調査ではどちらのパソコンも HDD(ハードディスク)だったが、このパーツを USB メモリのように高速でデータを読み書きできる SSD に変えて改めて動作検証を行った。

SSD にしたのはグラフィックボードがある dv5/CT の方だが、初回起動からマップへの降下までは約 8 分ほどになり待ち時間が半分になった。
ただし、リアルタイムのデータの読み込みにはあいかわらず付いていけず、マップへの降下前の待機場はスキップされて降下が始まり、降下後のキャラや物体の読み込みは HDD(ハードディスク)の時と変わらなかったため、描画演算を行う CPU の性能を上げる必要があると考えられる。

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