[初回公開] 2008年03月03日
システムエンジニアとして働くためには資格は不要ですが、情報系の資格を取得しておくと求人採用で有利になったり、会社に入ってからスムーズに仕事できるようになるメリットが多く、実際に自身も基本情報技術者を持ってから有利だったことと、新制度の科目A・B試験に合格するために行う最新の対策を紹介します。
2026年6月:最新情報で確認済み
この記事で紹介している手順が、最新の 基本情報技術者 の受験や内容について確認しました。

このページの目次
1.システムエンジニアが持っておいたほうがよい資格
システムエンジニアやプログラマなど IT 系の職種に就く場合は医師や弁護士のように必ず資格を持つ必要は無く、未経験でも従事することができます。
しかし、今やシステムトラブルで生活インフラが止まったり、個人情報が漏洩するなどシステムエンジニアにも高い知識と経験が求められているのも実情です。

そこで採用する企業や仕事を任せる発注者は一定の知識を兼ね備えた人材かを見極めるために、情報系の資格の取得有無を問うことがあります。
情報系の資格は情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency、略して IPA )が試験の開催と合格者には証書を発行しており、いずれも国家試験に分類されています。
IPA が開催している試験は下図のようになっており、以前は少なかった試験種別は今ではシステムの役割ごとにより高度の知識と技能を試すマネージャやスペシャリスト試験が設けられています。

その中で、システムエンジニアとして基本的なことを幅広く知識として身につけ、簡単なプログラムの構成が理解できているかを測る基本情報技術者試験について次に解説します。
2.基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験とは、IT 技術者の登竜門的な国家資格で、合格すると基本情報技術者の資格を得ることができます。
2000 年度(平成 12 年度)以前は第二種情報処理技術者と呼ばれていた資格です。
ハードウェアの各箇所の役割からソフトウェアの動き、システム開発に関わるプロジェクトの進め方など、基本情報技術者を持つことでプロジェクトにおいて、どの役割(ポジション)に配置されても適用できるスキルを身に付けることができます。
3.基本情報技術者試験の試験日
基本情報技術者試験の試験日は、かつては年に2回(4月と10月)の実施でしたが、現在はCBT方式が導入され、年間を通じていつでも受験できる「通年試験」へと変更されています。
これにより、受験者は自らの学習進捗に合わせて都合の良い日時と会場を自由に選択して申し込むことが可能です。
試験会場は全国のテストセンターやパソコン教室などが指定されており、備え付けのパソコンを使用して画面上で解答を行います。席に空きがあれば比較的直前でも申し込みができますが、土日などは混雑しやすいため、計画を立てて早めに予約を済ませておいたほうがよいでしょう。
4.基本情報技術者試験に向けた試験方法
基本情報技術者試験で出される試験問題は名前の通りハードウェアやソフトウェアの基本的なことが多く、高度な問題は出てきませんが、出題される範囲が広いため覚えることは非常に多いです。
試験は「科目A試験」と「科目B試験」に分かれており、同日に受験する必要があります。どの問題が出題されても対応できるように、過去問題を何度も解いて不正解の数を減らすように学習するとよいでしょう。現在はCBT方式の過去問サイトなども充実しているため、効率よく対策を進めることができます。
また、単語とその意味をただ覚えるという問題であれば問題集に解説があるので事足りるが、 2 進数やサブネットマスクなど少し計算が必要なものであったり、プログラムの処理の流れになると実際に手を動かしたり、仕事で経験が無いとイメージしづらい点もあるためイラストがついた参考書も一冊持っておくと理解するまでの時間が短縮されます。
上記の書籍は基本情報技術者試験に出題される問題をイラストと解説に重点を置いた参考書です。
問題も掲載されていますが、これとは別に過去問題だけの書籍をもう一冊購入して二冊で試験に臨めばより合格率が高まります。
なお、下図の二冊の書籍は過去に自身が基本情報技術者に合格した際に利用していたものです。
既に入手は困難ですが、左側の書籍は単語をイラスト形式で解説されており、右側の書籍は問題と解答の解説のみが掲載された内容となっています。

試験合格に向けては 1 ヶ月前から毎日 1 つの過去問は実施するようにし、土日など休日は最低でも数時間は勉強して同じ問題を繰り返して解くことで類似の問題に正解する可能性が高くなります。
また、正解解答以外の選択肢についても、それが何かを調べるようにしておかなければ、次はその違う選択肢についても問題がでる可能性があります。
5.基本情報技術者試験の当日の様子
基本情報技術者試験の当日の様子としては、現在はテストセンターでの受験となります。受付で本人確認を済ませた後、私物をロッカーに預け、案内されたパソコン席に座って試験を開始します。
試験時間は科目A試験が90分(四肢択一式・60問)、科目B試験が100分(多肢択一式・20問)となっています。連続で受験する形になりますが、画面上で試験時間いっぱいまで見直しを徹底するほうがよいでしょう。
科目A試験は基礎知識を問う選択式のため、ケアレスミスがないかを確認するのが主となります。回答がわからなくても問題をよく読めば消去法で選択肢を絞り込むことができる場合があるので、すべての問題は一度目を通しておくと正解できるものがあります。
一方で科目B試験は、かつての長文問題から小問形式に変更され、出題範囲も「アルゴリズムとプログラミング」および「情報セキュリティ」の2分野に集約されました。従来の個別プログラミング言語(C言語やPythonなど)の選択は廃止され、すべての問題が独自の「擬似言語」で出題されます。問題と与えられたヒントを読み解く能力と計算が必要となり、プログラムの流れを論理的に思考しなければならないので、事前の模擬対策が重要です。

上図は出題されるイメージの一部となります。
現在は擬似言語によってプログラムが記載されており、不等号が出ているところは条件分岐、ループ処理がどこで行われているかなどを想像しながら読み解く必要があります。
プログラミング言語の直接的な知識は問われませんが、何らかの言語を触ったことのある人や、アルゴリズムの思考パターンに慣れている人なら理解しやすい問題となっています。
6.基本情報技術者試験の合格発表の様子
基本情報技術者試験の合格発表は、CBT方式の導入により大きく変わりました。試験終了後、その場ですぐに午前・午後のスコアが画面に表示され、後日IPAのマイページから「成績照会」として詳細を確認することができます。公式な合格通知を待つ前に、その場で大まかな合否が分かるのが特徴です。
なお、現在の合格ラインは科目A・科目Bのそれぞれで、IRT(項目応答理論)に基づいた1,000点満点中、600点以上を獲得すれば合格となります。詳細な合否の確認や合格発表日以降の手続きは、IPAのサイトにブラウザでアクセスして行います。

IPA のサイト内より画面「成績照会」を表示すると下図のようなログイン欄が表示されます。IDやパスワード、受験時の情報は大切に保管しておかなければなりません。

成績照会にログインすると下図のように試験結果が表示されます。
合否の他に、現在の試験制度に合わせたそれぞれの科目結果(スコア)も確認することができます。

情報処理試験に合格していれば後日、合格証書が郵送されてきます。
IPA が開催する情報系資格は国家資格のため、合格証書には経済産業大臣の名前が入るのが特徴です。
7.基本情報技術者を持っていて変わったこと
基本情報技術者を持っていて変わったことは「求人採用の内定率アップ」と「受注案件の範囲拡大」の 2 点が挙げられます。
「求人採用の内定率アップ」は、システムエンジニアの求人を出している会社に限らず社内のシステムやネットワーク管理者を募集している企業へ応募した際の内定に大きく関わります。
特に大手企業になると応募条件に情報系資格を所有していることが含まれることがあるので、新卒採用や転職でステップアップしたい場合には資格を取得しておきたいところです。
実際に現在勤務している会社では基本情報技術者以上の資格所有が採用の条件だったため、良い条件の求人が出たときにすぐ応募できるように資格を持っておくとよいでしょう。
また、「受注案件の範囲拡大」とは、自治体と仕事をする場合に業務従事者の登録にあたり、情報系資格を持っていることが入札参加の必須条件に含まれることがあります。
そのため、資格所有者が多いほど案件の受注のチャンスが増えるため企業への貢献にもつながります。
8.基本情報技術者を持って人生が変わるメリット
基本情報技術者の取得は、単に「履歴書に書ける資格が一つ増える」というレベルに留まらず、その後のキャリアや生活の質、つまり人生そのものを好転させるきっかけになります。
なぜなら、この資格の勉強を通じて得られる知識は、IT業界を生き抜くための強固な土台となるからです。
確かな知識が自信へと繋がり、周囲からの評価が変わることで、選択できる未来の幅がぐっと広がります。
「たかが資格」と侮るなかれ、合格を機に仕事の環境や収入、日々の時間の使い方までが好循環を始め、大げさではなく人生の転機を迎える一歩になるのです。
具体的にどのような変化が訪れるのか、詳しく見ていきましょう。
8-1.就職・転職で内定確率が上がる
基本情報技術者を取得することは、就職や転職の市場において大きなアドバンテージになります。
この資格は、ITに関する基礎知識や論理的思考力が一定水準以上に達している客観的な証明になるからです。
特に未経験からのIT業界への転職や新卒採用においては、口頭で「やる気があります」と伝える以上の強い説得力を持ちます。
企業側にとっても、入社後の初期研修をスムーズに進められる人材として評価しやすいため、書類選考の通過率や面接での内定確率をダイレクトに引き上げる原動力になってくれます。
実際に私は応募条件に「要:基本情報技術者」の求人応募のために資格を取得して内定を勝ち取りました。
また、入社後に資格取得を強要される場合があるので、事前に企業調査する際に資格保有者数を見て、社員数の多くが取っているようなら資格取得しておくとよいでしょう。
8-2.就職後に昇給の上げ幅が変わる
資格の効果は、無事に就職や転職を果たした後のキャリアや給与面でも大きく現れます。
多くのIT企業では、基本情報技術者を「エンジニアとしての登竜門」と位置づけており、取得者に対して毎月の資格手当を支給したり、一時金として報奨金を出したりする制度を設けています。
また、基礎がしっかり身についているため実務の習得スピードが速く、結果として早期の昇格や基本給のベースアップに繋がりやすくなります。
長期的な視点で見ると、資格の有無が毎年の昇給の上げ幅に好影響を与え、生涯年収の差となって現れます。
8-3.仕事の進め方が変わりワークライフバランスにつながる
この資格で得られる網羅的なIT知識は、日々の実務の効率を劇的に向上させます。
システム開発の全体像や仕組みを正しく理解できているため、トラブルが発生した際も原因の切り分けがスムーズになり、五里霧中で悩む無駄な時間を減らせます。
また、先輩やクライアントとの共通言語が身につくことで、意思疎通のミスが減り、手戻りのないスマートな仕事の進め方が可能になります。
業務の生産性が上がることで自然と残業時間が減り、プライベートの時間をしっかり確保できるという、良好なワークライフバランスの実現にも繋がります。
9.基本情報技術者を持つメリットのまとめ
システムエンジニアとして働く上で必須となる資格はありませんが、基本情報技術者試験を通じて得られる知識は、実務のあらゆる場面で土台として活きてきます。
現在の試験制度は通年受験が可能になり、アルゴリズムや情報セキュリティに特化したより実践的な内容へと進化しました。
スキルや知識の証明として社内外からの信頼に繋がるだけでなく、キャリアの選択肢を広げる強力な武器になりますので、ぜひ計画的な対策を取り入れて合格を掴み取ってください。










