Word には文書を改変した履歴と編集者を残す「校閲」の機能があり、ファイルを編集する前と後でどこが違うか一目でわかり便利な機能が搭載されているが、複数人で同じ Word ファイルを編集しているときに編集者名が残らないことがあるため、校閲で編集者名を表示する方法について紹介する。
1.Word の校閲機能とは
Word の校閲機能とは、前回保存した内容から新たに編集した箇所や、特定の部分にコメントを入れて変更履歴を残すことができるものである。
校閲機能を利用するためには Word の画面上部の「校閲 -> 変更履歴の記録」を有効にする。
「変更履歴の記録」を有効にすると Word の画面右側に変更した箇所がコメントとして表示されるようになる。
記録を有効にしたままでコメント欄を非表示にすることも可能だが、変更の様子や編集者の名前が残ることから記録が不要であれば「変更履歴の記録」を再度クリックすることで無効化することができる。
2.Word の校閲で編集者名が表示されない様子
Word の校閲は複数人で 1 つの同じファイルを操作している時に、誰がどの箇所を変更したか履歴で残るので意図せず編集したくない箇所のチェックや、編集したところだけを確認したいときに役立つ。
しかし、Word の設定によって校閲機能で編集者名が表示されないことがあり、編集中は操作者の名前が校閲のコメント欄に表示されるものの、保存して Word ファイルを閉じた後、再度開き直すと編集した箇所はコメントで残っているものの、操作した者の名前が空欄になることがある。
3.Word の校閲で編集者名を表示する方法
Word の校閲で編集者名を表示する方法は、「プライバシーオプション」の設定を変えることでコメント欄に表示させることができる。
「プライバシーオプション」を開くためには、まず最初に画面上部より「ファイル」を選択する。
「ファイル」を選択すると下図のように「上書き保存」や「印刷」などファイルに対する操作項目が表示されるため、一番下にある「その他 -> オプション」をクリックする。
項目を選択すると Word の文章校正や保存など文書作成に関する項目が設定できるウィンドウ「Word のオプション」が表示される。
ここで左メニューからプライバシーやセキュリティの設定を行うことができる「トラストセンター」を選択し、次に画面右のボタン「トラストセンターの設定」をクリックする。
「トラストセンターの設定」をクリックすると下図のようにセキュリティに関する各種項目が表示されるので、ドキュメント固有の設定の項目欄にある「ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する」のチェックを外す。
校閲機能で操作している人の名前が出てこないのは、この「ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する」にチェックが入っているためである。
しかしこのチェックが影響する範囲は校閲機能だけでなく、ファイル保存時のプロパティにも最後の編集者として名前が残るため、自社以外の対外的の組織の人にもファイルを渡す場合は、チェックを外してプロパティ情報をクリアするなど個人情報対策を行っておくとよい。
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