Windows の評価版を入手し、VMware Player で動作させる方法

家庭や仕事で利用する Windows パソコンは電源を入れるとすぐに起動するようになっているが、起動した Windows 内でさらに違う Windows を起動することでソフトやデータを使い分けることができ、今回は Windows の評価版を入手し、VMware Player で動作させる方法について紹介する。

Windows の評価版を入手し、VMware Player で動作させる方法

1.Windows 内でさらに違う Windows を起動させるメリット

Windows 内でさらに違う Windows を起動させるメリットとしては、新しいバージョンの Windows の動作を先に調査できることと、ソフトウェアを試験的にインストールして動作を確認できることである。

Windows パソコンを操作している様子


例えば Windows 10 から 11 に移行する場合、今まで利用していたソフトウェアやシステムが Windows 11 でも正常に動作するかを調査することで実際に Windows 11 のパソコンを購入せずとも把握することができるメリットがある。

また、フリーソフトなどのソフトウェアを試験的に利用したい場合に、日頃利用しているパソコンに直接インストールすると後でアンインストールしたとしてもレジストリに不要なデータが残ったり、マルウェアの感染から守ることができる。

そこで、日頃利用している Windows パソコンの中でさらに仮想的に Windows パソコンを起動することで新しいバージョンの OS やソフトウェアの動作確認を行うことができる。

仮想的に Windows を動作させる代表的なツールが Vmware Player である。

2.VMware Player とは

Vmware Player とは、個人向けに提供されている仮想マシンを起動するソフトウェアで、無料でダウンロードして利用することができる。
本ソフトウェアの他に、仮想マシンとなる Windows や Linux の OS のイメージデータ(ISO)を読み込むことで 1 つのハードウェア上で複数の仮想マシンを動作させることができる。

また、Vmware Player で起動した仮想マシンは IP アドレスを持っているのでインターネット通信の他、Vmware Player を動かしているホストマシンとのデータのやり取りも可能になっている。

3.Windows の評価版とは

Windows の評価版とは、Windows を購入する前に動作確認を目的に無料で利用できる OS データである。
評価版となるため、90 日間の利用期限が設けられている。

また、評価版ライセンスでインストールした OS をそのまま使い続けたいという場合、後から正規版のライセンスを使ってアクティベーションする事で正式に製品版として利用することが可能になっている。

評価期間が経過すると、デスクトップの背景が黒になり、システムが本物ではないことを示す永続的なデスクトップ通知が表示される。
加えて評価版 PC は 1 時間ごとにシャットダウンする。

4.Windows 評価版を VMware Player で動作させる方法

今回、Windows がインストールされているパソコンに VMware Player を用いて、仮想マシンとして Windows 評価版を起動する。
流れとしては、Windows 評価版の ISO イメージを入手した後、VMware Player で簡単なリソースの割り当てを行うだけで利用できる。

4-1.Windows 評価版の iso を入手する

最初に Windows 評価版の ISO イメージを下記の URL よりダウンロードして入手する。
->https://developer.microsoft.com/ja-jp/windows/downloads/virtual-machines/

Windows 評価版の iso を入手する

評価版からライセンス版に移行する可能性がある場合は、評価版の種類が異なるため、Windows ライセンスがある場合は下記から入手する。
->https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11

注意点として、Windows 11 は VMware Player バージョン 16 では起動しないため、VMware Player が古い場合は Windows 10 までが利用できる。
->https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/download-windows-10-enterprise

4-2.VMware Player で仮想マシンを作成する

Windows のイメージファイルが入手できれば、実際に VMware Player を起動して ISO ファイルを読み込んで起動する。
VMware Player を起動すると下図の画面が表示されるため、右欄にある「新規仮想マシンの作成」をクリックする。

「新規仮想マシンの作成」をクリック


「新規仮想マシンの作成」をクリックすると「新しい仮想マシンウィザード」が表示される。
最初の画面では「後で OS をインストール」を選択してボタン「次へ」をクリックする。

「後で OS をインストール」を選択

続いて、仮想マシンとなるゲスト OS の種類を選択する画面が表示されるため、「Microsoft Windows」 を選択する。

「Microsoft Windows」 を選択

次に仮想マシン名をと保存先を指定する。
どちらも任意の名称、及び場所でよい。

仮想マシン名をと保存先を指定

仮想マシン名をと保存先を指定した後は、ディスクの容量を下図のように数値で指定する。
Linux の仮想マシンはディスクサイズは小さくてよいが、Windows OS は容量が大きいので、画面に表示された数値そのまま、もしくは少し増やした数値とする。

ディスク容量の指定


最後に仮想マシンのウィザードで指定してきた項目が確認画面として表示されるのでボタン「完了」をクリックする。

仮想マシンのウィザードの確認画面

4-3.仮想マシンのリソースの割り当て

仮想マシンの作成が終わると下図のように利用できる仮想マシンの一覧に Windows の評価版が表示される。
次に、仮想マシンが利用できるメモリや ISO の場所を指定するため、「仮想マシン設定の編集」をクリックする。

「仮想マシン設定の編集」をクリック

「仮想マシン設定の編集」をクリックすると下図のように各種項目が選択されるので、まずは「メモリ」を選択して 4GB にする。
Windows 10 以降のバージョンはメモリが多くないと正常動作しないため、増やしておく必要がある。

メモリを 4GB にする


次に「CD/DVD(SATA)」を選択して、「ISO イメージファイルを使用する」にチェックを入れ、ダウンロードした Windows 評価版の ISO ファイルを選択する。

ISO ファイルを指定

この時、下図のように「仮想デバイス sata0:1 に接続できません」と表示されるが「はい」を選択する。

「はい」を選択

最後に画面下部にあるボタン「OK」を押すことでリソースの割り当てが終了する。
もし仮想マシンを動かしていて動作が遅い場合は、CPU やメモリの割り当てを増やすと改善する。

4-4.仮想マシンを起動する

ここからは実際に仮想マシンを起動する。
既に Windows 評価版の初期セットアップが終了しているとすぐにデスクトップが表示されるが、初回はいくつかの設定が必要となる。
仮想マシンを起動するためには左欄で Windows 評価版が選択されているのを確認し、右欄の「仮想マシンの再生」をクリックする。

「仮想マシンの再生」をクリック

「仮想マシンの再生」をクリックすると「Time out. EFI Network. . .」 がでるのでしばらく待機する。

4-5.ストレージを選択する

その後、次のストレージの選択画面が表示されるので、「SATA」を選択してエンターキーを押す。

SATA を選択


ストレージの選択が終わると Windows の初期設定画面が表示される。
言語やキーボードなどの設定が終了すると、通常パソコンと同様に Windows 評価版が利用できるようになる。

Windows の初期セットアップの様子

4-6.プロキシを設定する

企業によってはセキュリティ対策でインターネット通信に対してプロキシを導入している場合がある。
Windows の設定画面より「ネットワークとインターネット」をクリックして「プロキシ」を選択するとプロキシの設定画面が表示されるので、表示された画面で「設定を自動的に検出する」を「オン」に変更すれば、Windows 10 にプロキシが設定され、仮想マシンでもインターネット通信できるようになる。

4-7.Vmware tool のインストール

Vmware Player には Vmware tool と呼ばれる仮想マシンの管理を拡張するユーティリティが用意されており、自動的に仮想マシンにインストールされる。

Vmware tool があることでホストマシンからゲストマシンにドラッグ&ドロップでファイル転送が可能になるなど操作が便利になる。
仮想マシン起動中にウィンドウ下部に自動的に表示されるので「はい」をクリックすることでインストールされる。

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