大学時代に通っていた4年の間、日本育英会の奨学金の支給を受けて学生生活を送り、卒業して社会人になってから毎月決まった額を返済していたのだが、返済期限より早く一括返済すると報奨金が支払われて返済の総額より安く済む制度が過去にあったので紹介する。

1.日本学生支援機構とは
日本学生支援機構(JASSO)は、主に経済的理由で進学が困難な学生に対し、奨学金を貸与・給付する独立行政法人である。
無利子や有利子の貸与型に加え、給付型の奨学金制度も整備されており、全国の大学・専門学校などで幅広く利用されている。

進学支援だけでなく、学生生活や留学支援なども行っている。
また、日本学生支援機構はかつての日本育英会を引き継いだ組織である。
2.過去にあった報奨金とは
かつて日本学生支援機構では、優秀な成績を収めた学生に対して「報奨金」という形で一部の奨学金が返済免除される制度が存在した。
これは、努力や成果を正当に評価し、学業を続ける意欲を高めるための施策であった。
2005年までは奨学金を一気に全額繰上返還すると報奨金がキャッシュバックする形で口座に振り込まれ、1999年以前に奨学金借りた人は、全額繰上返還金額の10%も返ってくる制度であった。
その後 5 %、3 %と還元率が落ちm2005年に報奨金は廃止された。
現在では廃止されているが、一定の条件を満たすことで返還が免除される制度は継続している。
3.報奨金を受け取る条件とは
過去の報奨金制度では、高校や大学卒業時に特に優秀な成績を収め、保護者の年収に応じて認められた者に対して給付された。
具体的な条件には、学業成績の上位に位置すること、指導教員や学科長の推薦を受けることなどが含まれていた。
競争率は高く、限られた学生のみが対象となっていた。
奨学金には種別があり、第 1 種が報奨金を受けられる対象であった。
最終割賦金の返還期日の 4 年以上前に一括返済することも条件の 1 つである。
4.教師になったら奨学金免除される制度
現在、日本学生支援機構では、特定の地域や教科で教員として勤務することを条件に、奨学金の返還が全額または一部免除される制度がある。
これは教員不足を解消する目的もあり、一定期間、指定された条件下で教職に就く必要がある。
教育への貢献が、経済的負担の軽減にもつながる仕組みである。
5.奨学金の報奨金を受け取る方法
現在「報奨金」という名目での制度は存在しないが、奨学金の返還免除や減額制度がそれに近い役割を果たしている。
返還免除を受けるには、大学在学中に優秀な成績を修めることや、卒業後に教員など特定職に就くなどの条件を満たす必要がある。
制度の詳細や申請方法は、大学やJASSOの公式情報を確認するのが確実である。
筆者自身は第 1 種の奨学金を受けたことがあり、現在は返済を終えている。
返済に際しては一括で行ったので報奨金も受け取ることができた。
奨学金の返済は「繰り上げ返済」に関しては公式サイトに記述があっても「報奨金」に関する記述は知らない人が多く、手元にある奨学金関連の書類に目を通してみると、しっかりと報奨金に関して明記されている。
当時の一括返済は問い合わせフォームやメールが整備されておらず、対応窓口は電話のみとなっており、申請は FAX で行い報奨金の対象かの調査が開始されるものであった。
後日、法人から連絡があったときは一括で銀行口座から引き落とされる日の連絡と報奨金の説明を受け、奨学金返済で引き落とされた翌月には報奨金である郵便為替が届いた。
この郵便為替を郵便局に持参することで換金することができる。

奨学金は消費者金融と違って無理な取立てができなく、返済が滞っている人も少なくない。
当時はこの報奨金制度を利用して、支給された奨学金は 1 円も使わずに貯蓄し、返済が始まったら貯蓄して額で一括返済すると貯蓄の利息と一括返済の 10% が手元に残るといった資産運用にも利用されていた。
本来の奨学金の目的で利用されないようになったことで、現在の奨学金には報奨金制度が無くなった背景も存在している。
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