[初回公開] 2009年08月26日
大学時代、4年間にわたり日本育英会(現・日本学生支援機構)の奨学金を受けて生活していました。卒業後は毎月決まった額を返済していましたが、実は「返済期限より早く一括返済すると報奨金が支払われ、総返済額が少なくなる制度」がかつて存在していました。本記事では、その制度について詳しく紹介します。
このページの目次
1.日本学生支援機構とは
日本学生支援機構(JASSO)は、経済的理由で進学が困難な学生に対し、奨学金の貸与や給付を行っている独立行政法人です。無利子・有利子の貸与型奨学金に加え、近年では返済不要の給付型奨学金も整備されています。
進学支援にとどまらず、留学や学生生活支援など多岐にわたる活動を行っており、かつて存在した日本育英会を前身としています。
2.過去にあった報奨金とは
日本学生支援機構では、かつて奨学金を一括繰上返済することで報奨金(キャッシュバック)を受け取れる制度がありました。たとえば、1999年以前に借りた場合、一括返済額の10%が返金される仕組みでした。その後、還元率は5%、3%と段階的に引き下げられ、2005年には制度自体が廃止されました。
これは奨学金返済を促進しつつ、早期返済を行った人へのインセンティブとして機能していました。
3.報奨金を受け取る条件とは
報奨金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要がありました:
- 第1種奨学金の受給者であること
- 最終割賦金の返還期日の4年以上前に一括返済すること
- 学業成績が優秀であること
- 指導教員や学科長などの推薦を受けること
競争率は高く、報奨金の対象者は限られていました。
4.教師になったら奨学金免除される制度
現在も残っている制度として、「教員就職による奨学金免除制度」があります。これは、特定の教科や地域に教員として勤務することを条件に、奨学金の返済が一部または全額免除される制度です。教員不足対策として、教育への貢献が奨学金返済の軽減につながる仕組みです。
5.奨学金の報奨金を受け取る方法(体験談)
筆者は実際に第1種奨学金を受け、社会人になってから返済を開始しました。貯蓄していた奨学金を使わずに一括返済したことで、報奨金制度の対象となり、返済額の約10%が郵便為替で還元されました。
当時はインターネット申請がなく、電話で返済希望を伝え、FAXで申請書類を送る必要がありました。数週間後、口座引き落とし日と報奨金の説明を受け、実際の返済の翌月には郵便為替が自宅に届きました。
郵便為替は郵便局に持参することで現金に換金できます。奨学金は消費者金融とは異なり厳しい取り立てが行われることはありませんが、返済が滞る人も少なくありません。当時は「報奨金」を活用した資産運用の一環として、あえて奨学金を使わず貯蓄しておき、一括返済によって利息と報奨金の両方を得るケースもありました。
こうした制度が「奨学金の本来の趣旨から逸脱している」とされ、報奨金制度は廃止されたと考えられます。現在は名称こそ異なりますが、成績優秀者や教職志望者に対して返還免除制度などが存在します。最新の情報は、大学の奨学金窓口やJASSOの公式サイトでご確認ください。
6.まとめ
かつて存在していた日本学生支援機構(旧日本育英会)の報奨金制度は、奨学金の早期一括返済を促進するための魅力的な制度でした。 制度はすでに廃止されていますが、当時は返済額の一部が戻ってくることで、経済的にもメリットがありました。 現在は返還免除や減額などの制度が継続しており、奨学金制度の仕組みを正しく理解することが大切です。 過去の制度を知ることで、奨学金との向き合い方や、将来の計画に役立つ視点が得られるでしょう。









