家庭用ゲーム機の売却する準備と売った後のトラブルを防ぐ方法


[初回公開] 2016年04月01日

近年の家庭用ゲーム機はゲームだけでなく写真や動画を楽しんだりインターネット接続で動画の視聴やコミュニケーションツールとして利用できるようになったが、不要になり売却したゲーム機本体から個人情報が漏洩したりや刑事事件に発展することもあるため売った後のトラブルと安全に売却する準備について紹介する。

家庭用ゲーム機の売却する準備と売った後のトラブルを防ぐ方法

1.家庭用ゲーム機の買取をとりまく環境

家庭用ゲーム機の買取をとりまく環境は新しいハードウェアが出るたびに変わってきている。
昔のゲーム機本体はあくまでゲームソフトを動かす機器であり、パソコンやスマートフォンのようにゲーム機本体にファイルや個人設定を行うことがなかった。
そのため、本体を中古取扱店に買取に出したり友人や知人に譲渡するときは特に注意点はなかった。



それは、各ゲームのセーブデータはソフト側(ファミコンであればカセット)かゲーム機本体とは別の媒体(PlayStation であればメモリカード)に保存していたのでゲーム機本体とは切り離して考えることができたからである。

しかし最近ではインターネットの普及により、ゲーム機自体もネットワーク対応したことにより多くの個人情報に関わるデータが保存できるようになった。

さらに、買取に出す先も中古取扱店だけでなくインターネット上のオークションやフリーマーケットのように見ず知らずの人同士による個人間売買が行われるようになったことでゲーム機本体の売却には注意点が伴うようになり、トラブルや相談件数も増加傾向にある。

2.家庭用ゲーム機を売却した後のトラブルとは

家庭用ゲーム機を売却した後のトラブルとは、「個人情報の漏洩」と「クレジットカードやポイントの不正利用」の 2 点が挙げられる。

1 つ目の個人情報の漏洩はセーブデータの保存やフレンドの追加などオンラインサービスを利用するための個人アカウントがゲーム機本体にそのまま保存された状態で売却した場合、アカウントやセーブデータに本名を利用していると氏名が漏洩する。

氏名や住所が漏洩した場合のトラブルとしては詐欺に合う危険性が高まるだけでなく、インターネット上の掲示板などに書き込まれてしまうと氏名と住所の削除は非常に困難な状況に陥ってしまう。
そのため、本体に保存されているデータは全て削除し、工場出荷時の状態に初期化して売却しなければならない。

また、2 つ目のクレジットカードやポイントの不正利用は、PlayStation Network や Nintendo アカウントなど決済が可能なアカウントが残ったままだと、本体を売った後に購入した第三者によりインターネット接続した際に不正にオンライン購入されたり、貯まっているポイントを不正利用される恐れがある

加えて、オンラインアカウントが残っていると、アカウントの設定変更画面から住所等を閲覧できる場合もある。
個人が映る動画や写真を保存している場合は、顔や住んでいる近隣情報など多くの情報を読み取ることも第三者が行えてしまい、大変危険である。

3.家庭用ゲーム機を売った後のトラブルを防ぐ準備方法

家庭用ゲーム機を売った後のトラブルを防ぐ準備方法としては、本体に保存されているさまざまなデータを消すとともに、最後に工場出荷時に初期化することである。

また、中古販売店に買取に出したり、インターネットオークションなど個人間で売買する場合でも愛用したゲーム機は次も人の手に渡るので、コントローラーの汚れや本体のホコリを拭き取ってクリーニングしておくとよい。



そのため、購入時の箱や同梱されている小袋も保存しておくと、より綺麗に扱っていた印象を与えることができる。

もし売却せずに粗大ゴミに出すとしてもデータの削除と初期化を実施することをお勧めする。

3-1.セーブデータを削除する

セーブデータを削除することで、個人情報の漏洩を防ぐことができる。
ゲームによっては操作する主人公キャラなどに氏名を付けることができるが、その際に自分の名前を付けて第三者に本体が渡るとセーブの続きからプレイして読み取ることができる。

セーブデータを削除する前には、バックアップを行っておくとよい。
セーブデータはゲーム機によってはオンライン上にバックアップできる場合があるが、多くは microSD カードや USB メモリなど外部の記憶媒体に保存できる場合が多い。

そこで、ゲーム機本体のバックアップの項目またはゲームタイトルを選択してセーブデータのバックアップを実施する。
セーブデータのバックアップが終了すれば、ゲーム機本体の設定よりセーブデータを削除してもよいし、最終的に実施する本体の初期化でデータ削除が完了する。

ゲームによってはセーブデータを microSD など外部記憶媒体に保存できず本体のみでしか保存できない場合があるのでその時はバックアップを諦めてデータの削除を行う。

また、PlayStation ではトロフィーというゲーム進行に応じて得られるスタンプのような機能がある。
このトロフィーのバックアップは SD カードなど外部記憶媒体ではできないので PlayStation Network 上にオンライン同期して残す必要がある。

3-2.写真・動画データを削除する

写真・動画データを削除することで、個人情報の漏洩を防ぐことができる。
ゲーム機にデジカメやスマホで撮影した写真や動画を保存している場合は、ゲーム機自体にカメラがある場合は、被写体の顔や自宅の様子などから個人の特定につなげることができてしまう。

写真データなどを削除する前には microSD カードや USB メモリなど外部の記憶媒体に移動してバックアップを行うと、本体を売却した後も視聴することができる。



また、ゲーム中のキャプチャ画像やプレイ動画など特に個人情報が含まれていない場合は削除を意識する必要はないが、オンラインプレイしているときのキャプチャ画像や動画はユーザ名が残っているので気になるようであれば削除しておいたほうがよい。

3-3.機器認証を解除する

機器認証を解除することで、利用していたオンラインアカウントを次の新しいゲーム機でも利用できるようになる。
PlayStation ではオンラインで利用するアカウント(PlayStaion Network)ごとに、利用している端末情報がオンライン上で管理されている。

この管理により自身のアカウントが他の機器で不正ログインして利用できないように制限をかけることができる。
反面、アカウントとゲーム機本体との紐付けを解除しておかなければ本体を売却した後に、新たにゲーム機を購入して同じ PlayStation Network アカウントを利用しようとしても使えなくなってしまう。

そのため、Sony Entertainment Network にログインして売却するゲーム機の情報を解除する必要がある。
この解除設定はゲーム機本体及びオンラインサービスの PlayStaion Network ではできないので注意が必要である。

3-4.ネットワーク情報を削除する

ネットワーク情報を削除することでインターネット接続の不正利用を防ぐことができる。
ゲーム機本体がインターネット接続するためには本体にインターネットに接続するための情報を登録する必要がある。

LAN ケーブルを利用した有線接続であれば PPPoE のプロバイダ情報が保存されており、Wi-fi を利用している場合は無線 LAN の SSID の情報が保存されている。
どちらのネットワーク情報もゲーム機本体が変われば都度手動で設定するのでバックアップは必要無い。

特に注意が必要なのは有線接続している場合で、このプロバイダ情報が残ったままだと第三者が自身が契約しているインターネット接続サービスで通信を行うことができてしまう。

プロバイダは、いつ、だれがどのサイトにアクセスしたかなどを情報と持っており、例えば爆破予告など刑事事件に発展する書き込みがあると、犯人が特定できるのはこの情報があるからである。

そのため、第三者にプロバイダ情報を悪用されると身に覚えがない事件に巻き込まれる恐れがあるのでプロバイダ情報は削除しておいたほうがよい。

3-5.機器を初期化する

バックアップが一通り終わり、ファイルや設定など手動で削除できるものを削除した後に、ゲーム機本体を工場出荷時の状態に戻すために機器の初期化を実施する。



各設定やファイルは初期化により自動削除されるが、特殊な機材を利用するとデータの復元が可能なので初期化だけに頼らないほうがよい。
そのため、手動で削除できるデータは消すとともに、設定で初期化も行うとよい。

また、機器の初期化はゲーム機本体のデータの記憶容量にも比例し、保存量が多いほど初期化にかかる時間が多くなる。
初期化にかかる時間は本体の処理速度(搭載されている CPU の性能)にも左右されるが大よそ 80GB だと約 5 時間ほどで初期化が完了するので、本体の売却を決めたら早い段階で時間を取って初期化するのがよい。

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